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Happy New Year

作者: 桜峰アイ
掲載日:2014/12/31

「今年ももう終わりだね」


女の私からしたら、対して面白くもない年末のバラエティ番組を見ながら、年上の彼に声をかける。


「そうだな」

煙草を蒸しながら彼が短く言った。


付き合って間もない頃は、もっと丁寧に接してくれたのにな…。

最近は、やっぱり冷たい。

ちょっと、いや、結構辛いのだ。泣きたい。


「私、歌番組の方見たいんだけど」


「そうか」


「…聞いてないじゃんか」


「そうだな」


「だってジャニーズがトリなんだよ」


「そうか」


まただ。冷たい。

‘‘彼が冷たくなると、終わりが近い”

って、学校の友達が言っていた。


やっぱり、私とは、本気じゃないってこと、なのかな……。


どうでもよくなってきた。

もう、どうにでもなれ。


「………大毅は、なんにもわかってない」


「そうだな」


「私がっ、どんな思いでいるかなんてわかってない…っ!」


「そうだな」


「私が年下だからっ、何回も何回もっ…!

…どんだけ不安になったかなんて、わかんないんでしょっ」


「そうだな」


「ほらまた、そうだなって、そればっかりっ…初めの頃は、もっと……」


「そうだな」


「どうせ私とは、そんなに本気じゃないんでしょっ!?ガキだって、見下してるんでしょ!そうだったらそう言ってよバカっ!」


「…。」


「なん、でっ、なんにも、言わない、のっ…」


大毅が、私の顔に手を伸ばす。

誤魔化そうたって、そうはいかないんだから。


ぷいっと顔を背ける。

でも、大毅は大きな手で、私の涙を拭った。


「…ごめん」


「謝んないでよ…」


「違う、愛香を、傷つけてたから」


「…!」


「違うんだ、俺は、愛香を嫌いになったとかじゃ、ないんだ。

好きだから、もう本気で、狂いそうなくらい好きだから、触れるのも怖いくらい、好きなんだ」


少しずつ、大毅が言葉を紡ぐ。


「私こそ、ごめんね…」

ほんとは、そんなことわかってたんだ。

でも、思い上がりなんじゃないかって、不安で。

こんなガキより、大毅にはもっと、大人な女の人が似合うんじゃないかって。


「大好きだよ…」


「俺も、つか俺のほうが」


大毅が私に口付けた。

私は素直にそれに応じた。


TVでは、ジャニーズのカウントダウンが始まる。


「あけましておめでとう、愛香。

今年も、よろしく」


そう言って大毅は私を抱きしめた。


…あたたかかった。

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