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傭兵幻想記  作者: アロン
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現世への帰還。思い出と終わりそして…

道中何体も怨霊付きと会った、どいつもこいつも俺には攻撃もしてこなかったがな。たぶんあいつらから見れば俺は同類なんだろうな。折角こっちに来たんだからクーに挨拶でもしようかと思ったがやめた。今の状態で会いにいったら怨霊付きを引き連れていくことになりそうだ。

少し進むと見知った顔が二つ見えてきた。一人はさっき会った紅白の巫女の霊夢。もう一人は紫だ。


「悪い待たせたな」

「そうでもないわ。お客さんが多かったから退屈はしなかったもの」


周りには怨霊付きの死体がこれでもかと落ちている。たぶん全部この二人で倒したんだろうな。


「それで答えは出たのかしら?」

「ああ…俺は」

「ああ、言わなくていいわ分かったから」


紅白の巫女がさっさと魔法陣のようなものを書き始める。ホントに分かったのかこいつ。


「この子勘が恐ろしいくらい当たるのよ、たぶん帰る事にするだろうからってもうほとんど準備は終らせてたのよ?」

「そりゃすげぇな」

「そうでもないわよ。博霊の巫女なら当然のことだし、すごいと思うなら関心よりお賽銭ちょうだいよ。お賽銭」


魔法陣のようなものを書きながらもそんなことをいっている。巫女がお賽銭よこせって言ってもいいのかとか思ったが気にしないことにした。こっちならむしろそのくらいの方が自然に感じられる。


「…正直に言うわ、私はあまりこの方法に乗り気じゃなかったの。この方法の場合貴方がさらに大きな苦痛を受けることになってしまうから…私なら痛みを与える間もなく殺すことが出来るもの。出来る確立も100分の一を二回連続で引くよりさらに低い確率で成功するかしないか程度しかない…本当にそれでもいいのね?」

「ああ、いいぜ、相手は運命。面白い話じゃねぇか…壊してやるさ」

「…フフフ、そう。それならもう止めないわ。そうだあの射的の勝負まだついていなかったわね…改めて勝負しないかしら?」

「なんか書いてる巫女さんの後ろで弾幕ごっこでもおっぱじめる気か?」

「そんなことやったらあんたら二人まとめてぶっ飛ばすわよ」

「怖い巫女さんがあんな事いってるからそれはなしね」

「ちょ、怖い巫女って何よ!!私は善良で優しい巫女さん」

「はいはい…勝負の内容は簡単よ、貴方がこっちの世界に帰ってくるかどうか。帰ってこれたら貴方の勝ちよ」

「それ出来レースだぜ?俺は帰ってくるからな」

「あら、頼もしいこと」


紫がくすくすと笑う。なんで普通に笑ってるだけなのにこいつはこんなに胡散臭く感じるんだろうな。


「よっし準備完了。何時でもいけるわよ」

「サンキュー」

「紫苑最後に一ついいかしら?…この世界はどうだった」


紫が魔法陣の中に入った俺に語りかけてきた。何時もの胡散臭さはあまりなくどちらかと言うと…母さんとかそんな感じのイメージだな


「そうだな…楽しかったぜ。少なくとも元の世界よりはな」

「そう、それは良かったわ」


紫がにっこり笑うと魔方陣が輝き光が俺を飲み込む。その青い光は完全に俺を包んで何も見えなくなった。

色々な思い出がある。だからこそそう簡単に死んで終るわけには行かない。


「運命が相手か…面白いじゃねぇか。壊してやるよ」


そして視界が青から白に染まりその白い光が一つにまとまったそして。

ガガガガガガガガガガという音とともにその一つの光は点滅をした。いつの間にかその光はマシンガンの光となって俺を貫いていた。俺が最後に見たのは戻ってきたことを示す森の木と俺を睨む敵軍の兵士の顔だった。








何故か死んでいない。真っ暗だけどこうして考えることも出来るし周りの音も聞こえる。でも前みたいに洞窟の中というわけではない。何だこの音

しゃべれも動けもしない俺に声だけが聞こえてきた。


「なぜ外の世界の魂がこっちに来ているのでしょうか…それ以前に…なるほどなるほど」


その少女の様な声は納得したような声を出してさらさらと何かを書いている。俺は結局どうなって何をすればいいんだ


「…やはり手違いのようですね。まだ死んですらいませんから貴方…それに魂が穢れすぎていて貴方の場合からだが無いと天国も地獄も壊れてしまいますね」


手違い?なんだそれ…ってつまり死んでないってことか!?


「後で小町を叱らないといけませんね…ああすみません置いてきぼりにしてしまいまして。細かいことはまた今度お話しします。また今度会うことになりますから。お待ちしていますよ紫苑さん…貴方が元の世界で年を取って死んだら会いましょう。幻想郷で、死神の体を作って待っていますね」

「まてよ!どういう…あれ?」


目が開き動けるようになった時には元の世界に戻っていた。回りには木々が立ち並ぶ森の中、俺は銃弾を受けあちこちに重傷を負っていた。反射的に撃ったんだろうな、前では同じように俺を撃ち殺そうとした張本人が伸びている。ためしに両腕を動かしてみる左手はダメだが右手は動く、足は右足は感覚がねぇけど左足が動く…これならいける。

木を支えに俺は立ち上がる。全身を激痛が襲うが知ったことじゃねぇ。夢で戻れるって聞いたし何より…待ってくれてるんだ。

俺は腰のポーチを探る。弾はマガジン1つ、今銃に入れてあるのも合わせて60発、そしてコンバットナイフ。

上等じゃねぇか。これだけありゃ大丈夫だ。俺は一歩一歩進み始めた、生きて帰るために、生きてまた家に戻るために。







「それでおしまい?」

「そうおしまい」

「ええー!」


子供達が非難の声を上げるのも無理はないだろう。老人の話は結局どうなったかも分からずその傭兵が生きているのか死んでいるのかもわからないのだ。


「終わり方はいくつもあるから特定のどれかとは行かないんだよ。そこで死んだって未来もあるし生きて帰って結局その世界に行かないでこっちの世界で死んでしまったって話もある…年取って死んでから向こうに写ったって未来もあるけれどもね」

「ふーんそうなんだ…その傭兵さんにとってそんなに楽しかったのかな向こうの世界」

「ハハハ。どうなんだろうね…少なくとも私は今でもそうなんじゃないかと思っているよ」


老人は少しだけ遠くを見つめそれからゆっくりと目を閉じる。


「さてとそろそろおしまいだ。私は料理が出来ないから夜ご飯を買いに行かないと」

「ねぇねぇなんでおじいさんは結婚しなかったの??」


少しだけその少女を見つめおじいさんはやさしく微笑んだ


「そうだね…待ってくれている人がいるからだね…そう、遠い遠い場所に」


そのおじいさんは少女の頭をなで優しくそういった。

いったんこの話はここで終わりです。少し急ぎ足での終わりとなってしまった気がします。

終り方でおじいさん誰だよと思われるかもしれませんがあえてそのままにしておきたいと思います。紫苑なのか結局死んでしまって紫苑の話を伝えてるだけの人なのか…それはご想像にお任せします。

もしまたお会いすることがありましたらよろしくお願いいたします。その時には文章力や構成力を向上させさらに良い作品をお見せしたいと思います。ここまでお付き合いくださってありがとうございました!。


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