地上で出会うはあの河童?
今回投稿が送れてしまい申し訳ありませんorz
周囲には木々が立ち並びすぐそばを川が流れている。紫苑は一人山道を歩いていた。河童の河城にとりという人物からの依頼を受け妖怪の山まで来ていた。天狗の領地であり八百万の神々が住み着いている山、それも納得できるほどの壮大な山だが同時にかなり大きいため
「……地図役にたたねぇよ」
案の定迷子になっていた。河童という話なので川沿いにあるのだろうと高をくくり上ってきたがいくら上っても見えてこない。人に聞こうにも当たり前だが誰も通らない為何もできなくなっていた。
しばらく歩いているとビュン!という風切り音が上からして離れていった。とおもったらそのまま今度は近寄ってきた。
「あやや? おお!紫苑さんじゃ!ございませんか!!」
「なんで有名人になってんだよ」
「そりゃあんなお祭りで外来人が妖怪投げ飛ばしたら有名にもなりますって」
スタッと紫苑の前に降り立ってきたのは白いシャツと黒いスカートをはいた黒い羽の生えた少女。頭には天狗の被るような帽子をつけている
「よくわかったな外来人って」
「ふっふっふっブン屋の情報収集能力を舐めないでいただきたい!迷彩模様の服を着た外来人の話はお祭りに来たときに既にきいていますよ!」
「ブン屋…ああ、新聞作る人ってことか」
「そうですそうです。あ、申し遅れました清く正しい幻想郷のジャーナリスト。鴉天狗の射命丸文と申します以後良しなに」
ニコニコと文は笑顔を向けてくるがその手には手帳が握り締められており明らかに取材目的だとわかる
「…一応仕事あるからにとりって奴の家を教えてくれるなら着くまでの間だけならいいが…面白いことはいえないぞ」
「お話がよくわかるようで。その程度ならお安いご用です!では早速質問させていただきますよー!!まずはですが外の世界では何をしていたんです?」
「傭兵…ってってもわかんねぇか。何でも屋みたいなものだ、今やってることをそう違いねぇよ。こっちに比べるとかなり物騒だけどな」
「ほうほう。戦いに生きる男!と言うことですかカッコいいですねぇ」
「別にそんなのじゃねぇよ。なんつーか…人を助けるような職業やりたかったけど頭が残念でさ結局それしかできなかったんだ」
「なるほどなるほど、正義の傭兵と言うことですね」
文は歩きながらも器用に手帳の上で羽ペンを走らせていた。その上に質問も次々と飛ばしてくるのだからかなり慣れているのだろうと思って紫苑は思っていた。十数分は歩いていただろうか。家と言うより工房のような建物に到着した。
「あややもう着いてしまいましたかもっと聞きたいこともありましたのに…それにしてもすごい体力ですね。普通の人間が質問攻めにされながらこの道これるとは思っていませんでしたよ」
「装備軽いしこのくらいなら楽勝だ。あそこがにとりの家なのか?」
「そうです!いやぁ…ホントは休憩挟むかと思っていたのですが…少し予想が外れてしまいましたね」
「そういうところちゃっかりしてるよなお前…ま、いいけどよ」
「アハハハ…おっと、そろそろ私も仕事に戻らなければ。ではシオンさん、また取材させてくださいね。後出来上がったら地霊殿まで届けますから」
「ああ、わかった。サンキューな教えてくれてよ」
「これくらいお安い御用なのです。では!」
文はそのまま来たとき同様風のような速度で飛び去っていった。
「…ホントここって変わった奴多いよな……っと仕事仕事……インターホンなんてここにあったのか」
紫苑はインターホンのボタンを押した…反応なし…再度押す…反応なし…もう一度押す…反応なし
「………おーい!!河城にとりってのはいるかー!!」
「ひゅい!?な、なに!?なんで叫ぶのさ!!」
中から驚いた様子で出てきたのは水色のポケットのたくさんついた服を着たリュックを背負った青い髪のツインテールの少女だった。何かの作業中だったのか鼻の頭や頬には油の跡が残っている。
「……あぁ悪い人違いだった」
「どういうことさ!呼ばれたから出てきたのに!!」
「いや…だってさ。俺が探してんのは河童でなんだよ。皿もなけれれば甲羅も」
「外来人って時点でそんなこといわれる気はしてたけどさ…あたしがにとりだよ。河城にとり」
「………そういや天狗も違うしこっちも違うのか。はぁ頭こんがらがってきた…まぁいいや。俺が紫苑だ」
「おお!君がそうだったのか。地底から来るって聞いたから妖怪だと思ってたけど人間だったのか。立ち話もアレだしあがっておくれよ…今少しごちゃごちゃしてるけどね」
「んじゃお邪魔するぜ」
通された場所は外の見た目同様工房のような場所だった。大小様々な機械が並んでおり台の上にはブレスレットのような物が置かれており紫苑は促されるままその台の近くのソファーに腰をかけた。
「コーヒーで良いかい?眠気覚まし用にここには結構ストックがあるんだ」
「ああ、悪いな。すごいな全部にとりが作ったのか?」
「勿論。全部私の発明品さ!まずアレが見つけーる君と言って情報さえ入力すればセンサーで幻想郷中から探し出してくれるんだ!…まぁものすごくエネルギー使うから持って10秒の失敗作だけどね」
「そりゃ便利だな…でしごt」
「それでこれがのびーるアームマーク2!なんと自動で動く代物!…だけど光センサーで勝手に動くから電池抜いてあるんだよね」
「……そうかよ」
何かに火がついたのかにとりは次々と機械を説明し始めてしまった。止めようにも紫苑もあまりに楽しそうに目を輝かせて説明しているのでとめようにも止められなかった
「………ふぅ、疲れた」
「お疲れさん。気は済んだか?」
「もうばっちり!いやーまさか最後まで聞いてもらえるなんて思ってなかったからあたしはうれしいよ!さすが盟友だ!」
「あんな楽しそうに話してる奴止められるか…んで?そろそろ話を聞いてもいいか?」
「おっと、そうだったねごめんごめん」
にとりは席を立つと台の上の二つの腕輪を持ってきた。一見太めで銀色のデジタル腕時計といった感じの代物だがなぜ二個あるのかはわからない
「これはフライングシステム!飛行を補助するために作った腕輪で強力な静電気で装備者を浮かせる道具さ!つけることで速度がかなり上がる…はず!」
「それかなりやばくねぇか?人浮かせるほどの静電気とか触ったら触れた相手が感電死しかねぇぞ」
「チッチッチ!河童の技術力舐めてもらっちゃ困りますぜシオン君。そうならないように腕輪があるんじゃないか。この二つの腕輪で制御するんだよ」
「へ、へぇ…それでこれをどうするんだよ」
「ホントはこれで速度が上がるかを試したかったんだけど…予定変更!これで紫苑君が飛べるかを試してみよう!」
「…は?」
にとりはこれは良いアイデアだ!と言わんばかりに顔を輝かせているが紫苑としては不安でしょうがない。
「……害がねぇならいいけどよ」
「それじゃあ早速試してみよう!外へ行こう!」
言うが早いかにとりは紫苑を引っつかんで外へと飛び出していった




