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大柊に会いに
あの本の大柊に会いたい。
電車に飛び乗った。
窓の外に、真っ白な北アルプス。
空の青が、深い。
大柊に会うなら、夕方がいい。
山賊焼きを食べて、レンタカーに乗る。
ラジオは山下達郎。
季節外れのクリスマス・イブ。
つい声に出して歌う。
スマホに目的地を入れて、レンタカーを降りる。
少し寒い。
ここで、いいはず。
なのに、竹林が続く。
通り過ぎる。
引き返すと、澄んだ水の流れる小川。
地図にない細い道。
人の家が、近い。
足元が、土に。
草を踏む。
右へカーブ。
大きく裂けた、白い幹。
てっぺんは、葉のほとんどない細い枝。
葉には、白い斑。
幹に、細い枝。
影を踏む。
見上げる。
本とは違う。
夕陽が、落ちていく。
写真を撮る。
何枚も。
細い光が、木を横切っていた。




