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ペインクラブへようこそ 〜変態紳士の集い〜  作者: Y.イヨネスコ


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第二章 ペインハウス

かつて痛みはその当人にしかわからないものであった。

いかに言葉で表現しようとその辛さは本当の意味では伝わらなかった。

時代は進み科学の発達はこの不可能事を可能にした。


ことにブレイクスルーに貢献したのは双子の兄弟であった。

この兄弟は頭の繋がったシャム双生児で、驚くべきことに脳の一部も繋がっていた。

おのおのは別人格ながら痛みをはじめ感覚を共有したり思考を伝達することまでできた。

かくして脳の通信プロトコルは徹底的に解析された。


いま私の頭の中には脳科学の精華ともいうべき大量のナノデバイスが詰まっている。

これは脳の働きをモニター出力するとともに外部入力装置も兼ねていた。

医療分野では診断の切り札として重宝されているものだ。

高価なものだが私は幸い保険を使って安く注入することができた。


「異常なし」

院長で担当医の西村先生から定期検査の結果が言い渡された。

「田中さんおめでとう、これで5年経過したね」

「ありがとうございました」

私は礼を言った。

この西村先生こそ私にペインクラブを紹介した人物であり、ペインクラブの会長でもあった。

脳腫瘍で入院したおり頭痛に関する会話から私がアルゴフィリアであると看破した会長からお誘いを受けたのだ。

病気を楽しんでいるように見えたそうだ。


「では週末、快気祝いを」

「よろしくお願いします」

土曜日の夜にペインクラブの会合があるのだ。

クラブハウスは西村総合病院の厚生施設を利用させてもらっていた。

表向きは<痛みの治療に関する研究会>ということになっている。


当夜、クラブハウスの駐車場には高級車が並んだ。その片隅に私は古いセダンを滑り込ませる。西村先生のつてで集められた会員はちょっとした名士ぞろいだった。


各自秘蔵のコレクションを手に胸おどらせながら建物に入っていく。






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