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お願い、一度だけ!元の世界に戻りたくないんです!〜憧れの火炎騎士様に媚薬を盛りました〜

 国に満ちた瘴気を浄化するため、聖女として異世界に召喚された少女、ミミ。
 初めは驚き怯えていたけれど、今ではすっかり帰る気なんてなくなってしまった。何故なら、転移先の炎を操る騎士、グレンに一目惚れしてしまったから!

「あの、私、……ずっとグレンさんと、お話したいなって、思ってて……っ」

「……良かった。俺はどうも顔が怖いらしくてな、聖女様に嫌われていたらどうしようかと思っていたんだが……杞憂だったらしい。俺も、あんたと話がしたかった……ずっと」

 自分は無欲だなんて思っていたのに、彼のことは欲しくて欲しくてたまらない。
 元の世界に戻れなくたって構わない、ずっとグレンさんの傍にいたい! けれど……なんと次の満月の日、夜の鐘が鳴るまでに誰かに抱かれないと、元の世界に強制送還されてしまうと魔女から告げられて──!?

「お願い、です……一度だけで、いいから」

「……悪いが、それだけはできない」

 勇気を出して願い出るも、すげなく断られてしまい泣き明かすミミ。……でも、他の人にお願いなんてしたくない! その果てに縋ったのは──

「! は、ッやめろミミ、何を……クソ、……ぁ、さわ、るな……ッ」

「……ごめんなさい」

 恨まれても、嫌われていても、どうしてもグレンさんと同じ世界にいたい。けれど──忍耐強い彼の様子が、段々おかしくなって……?


「……なぁ、綺麗で無欲な聖女様。俺はきっと狂ってるんだろうな、あんたを一目見た時から、ずっと」

「滅茶苦茶にして、俺のことしか考えられなくしてやりたかった……ああ抵抗はするなよ、人としてまともな生活を送りたいだろ」

「逃すものか、絶対に──何をしてでも、俺に縛り付けてやる……ッ」


 え、あれ? 私のこと、触れたくないくらい嫌いだったんじゃないんですか──!?


 自分のことを無欲だと思っていた鈍感聖女と腹黒ヤンデレ騎士の、お互いの大きい矢印が拗れまくってすれ違う、媚薬を巡った恋の話!

※R-15は保険です
※アルファポリス様、カクヨム様でも投稿予定です
1.一目惚れ
2025/05/09 18:04
2.夢と期待
2025/05/09 18:04
3.戻れない選択
2025/05/09 21:10
4.良い子じゃない
2025/05/10 12:02
5.好きな人
2025/05/10 19:25
6.カウントダウン
2025/05/10 22:32
7.ぜんぶ私の
2025/05/11 12:11
8.放さない(最終話)
2025/05/11 19:27
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