④話 ギジエ
アンドロメダ銀河のギジエ星。地球から二百五十万光年。
この星は、彼らの故郷である。
サーフェス率いる、快楽を主義とするヘドン共和国【hedon】
デプス率いる暴風のようなゲイル帝国【gare】は、元々ひとつの国であった。
ギジエは起伏が激しい星で、高地に適応したヘドンの民と、谷底に適応したゲイルの民、両民族は交易しながら成り立っていた。
ゲイルの民は、谷底の暗闇でも見える縦長の瞳を持つ。
一方ヘドンの民は、高地で広く遠くを見る目が発達し、横長の瞳に進化した。
そしてごくまれに、両民族の特徴を持つ、十字の瞳に変化する個体もあり、それらは当時忌み嫌われた。
両民族は科学の進歩により競い合い、大いなる発展を遂げた。
特にデジタル技術の進歩は目覚ましく、AIが全ての分野で活躍する。
寿命が大幅に伸び、生活は向上、効率と利便性を求め続け、余裕ある多くの時間を手に入れた。
そして、AIとロボットに労働を奪われていった。
しかし、AIは優秀で、民の収入を生み続ける。
皆が裕福で、好きに時間を使えるようになるが、時間を持て余し便利になり過ぎた世界は、動かない、考えない、皆が快楽思考となっていった。
その結果、脳を使わなくなり、アイデアや芸術を生み出せなっていく。
だらけた生活を送り続ける事で、民は心がすさんだ。
それらを和らげ、癒すため、各地で宗教が生まれる。
高地育ちの民、谷底育ちの民で思想が二分化していき、二つの宗教にたどり着く。
高地の宗教ヘドンと、谷底の宗教ゲイル。
ヘドンの教祖、ゲイルの教祖は共に十字の瞳に覚醒した。
ふたつの宗教は対立し、国が分裂、宗教間戦争が始まった。
人類の歴史と違う点は、宗教が生まれたタイミング。タマゴとニワトリどちらが先に生まれたみたいなものだが。
両宗教は、AIの排除を教義とするが、AI無しでは敗戦してしまう為、結局頼るしかない。
戦争で疲弊し、矛盾も相まって、宗教に縛られた民の心は拠りどころを求め娯楽を欲するが、もう芸術を生み出せない。
しかし、ここで吉報が届く。他に住める星を探していた調査船がある銀河で生命体を発見する。
資源豊かで、原始的な先住民。
この星を支配し、荒れ果てたギジエ星から移住しようと調査を進めるが、先住民の優れた能力を発見する。
芸術だ。
音楽、絵画、造形、映像、物語、発明、舞台、競技、生き方、…
両国の民は、強烈に魅了された。
ここで対戦国同士、初めての友好的な会議が開かれる。
第一回サスペンド会談である。
この会議は地球と人類を絶滅させないための会議。この時に制定されたサスペンド条約のひとつ、【太陽系での一切の戦闘を禁ずる。】
今現在も有効である。
次は⑤話 月食
月食に起こる事。衛星達の最接近日




