㉙話 そろそろ
Ⅾ「そろそろ動きがありそうだな。」
会話のきっかけに何か喋ろうと、思ってもない事を言ってみる。
ノ「なんでそう思うんだぁ?」
うわぁ、忙しいのに仕事を増やされてイライラしているノイジーが怖い。
Ⅾ「い、いや、何となく、な。」
ノ「正解だよぅ」
何を根拠に、か聞きたかったが黙っておく。居づらい空気なので、フロッグの砲撃チーム、ポッパーのコンバットスーツ部隊、スイシャの状況でも見に行くか。
Ⅾ「フロッグ、準備はどうだ?」
フ「35基、砲台いつでも撃てる。だが、ノイジーから言われた。ワームに何か仕掛けられているとしたら、砲撃を止められる可能性が高いと。」
Ⅾ「そうか、あらゆる場面を想定していてくれ。」
通信以外はプロテクト済みだが、まだウイルス発動の可能性があるってことだ。
格納庫に着き、辺りを見渡すがポッパーの姿が無い。パイロットが集結し、コンバットスーツクロウラーの出動態勢は万全の様だ。ドローンはハッキングの可能性があり得るので、全てバッテリーを抜かれて起動できないようにされている。
Ⅾ「ポッパーはどこだ?」
「はい、あっ艦長!そこのラボに居ます。」
ラボ、まだクモの解体でもやっているのか。
部屋に入ると、その通り解析作業が進んでいる。しかしポッパーの姿が無い。
Ⅾ「ポッパーは居るか?」
ポ「ヨー艦長!こっちですよ!」
トカゲの解析に勤しんでおり、配線をつないでソフト内部を触っているようだ。
Ⅾ「おい、繋いでもウイルス大丈夫か?」
ポ「ノイジーに安全点検してもらってますよ。クモはワームが操ってくるだろうから弱点探し。トカゲは一応動くようにはなりました。まあオートシステムは無いので、マニュアルならですが。」
Ⅾ「乗れるのか?」
ポ「一応ね。マニュアルで乗りこなすには、ん~、俺でも1年はかかりますね。」
Ⅾ「そりゃ使えんな。そうそう、ノイジーがもうすぐだと言っていた。いつでも出られるようにな。」
ポ「了解っす!」
情報調査部署は普段通りの様子。ガンマ線誘導が出来ない事を除いて。
D「スイシャはどこだ?」
「あっ、艦長! 部長はその、休憩に出られているかも。何か急ぎですか?」
なんかはっきりしない様子。忙しい時にどこでサボっているんだ。
D「いや、戻ったら連絡をと伝えてくれ。」
次は ㉚話 アメとムチ




