㉖話 文芸
荒れ狂う女。悲しみと怒りの叫びが、通路まで響く。
同じ気持ちのもの達が集まり、悲しみを増幅させている。もういい加減止めなければ。
D「おい、ドアを開けてくれ。」
返事がない。
D「このままではもっと失う事になるんだぞ!」
「ロックカイジョ。」(ブゥーン) やっと開く。丸一日かかった。一体何人集まっているんだ、この悲しみの会は。
ス「ううぅ‥(涙)許さない!みみず野郎殺してやる!」
あの和を重んじる上品なスイシャが。まるで荒れ狂ったゾンビのよう。正直怖い。。
D「みな、同じく悲しみに暮れている。が、そろそろ行動の時間だ。君は地球調査部の長だぞ。そしてノイジーにフロッグ、君等もだ。」
頼りのノイジーまでもが。ワームの戦略が【絶望】なら大成功か。
ここは艦長として、皆を鼓舞し、士気を上げねば。
D「時勢に応じて、自分を変革しろ!」
地獄絵図と化した混沌の空間が、一瞬で静寂に。
言葉の芸術、文学の力。 流石推しの言葉!
ス「あぁ‥」
ノ「大先生のお言葉‥」
そう、坂本龍馬の言葉、さっき覚えてきた。もう一押し!
Ⅾ「業なかばで倒れてもよい。そのときは、目標の方角にむかい、その姿勢で倒れよ!」
「うぉー!!」歓喜の爆発!これが芸術の力か。
でもどうしよ?空気入れに来ただけなのに、皆俺に注目してる、何か発表しなきゃいけない雰囲気。うわっ、なんかデカい事言わなきゃ、ヤバい、スベりそう。
Ⅾ「それでは、作戦を伝える!それは、」
なんか思いつけ!思いつけ。
Ⅾ「タクト薩長同盟だ!」
「うおぉーーー!!!」
絶叫のような大歓声。もうやるしかない。。
次は ㉗話 薩長同盟