㉓話 奇兵隊
長時間に及んだ両艦の会議、敵ながら一時的に協力を得られる事になった。
但し、ワーム拘束後の取り調べ立ち合いか、後身柄引き渡しが条件である。
今日は最終まとめ報告という事で、グラブ艦長も出席。
グ「最新の会議内容を報告せえ。」
B「はい、サーフェスは地球の動きを監視し報告、ガンマ線誘導を回復に努め、ワームに動きある場合は軍事協力するとの事。
デプスはワーム拘束に全力を、との事です。芸術重要人物の死亡は今年すでに53人、日本国を重点的に狙っているとの事です。残念ながら高杉晋作氏も。」
高杉晋作は両国でも大人気の芸術家である。本来大人物の場合、死亡時には黙祷のため一時休戦するほど。
グ「話逸れるが、辞世の句、あるんか。」
グラブ艦長、実は高杉晋作の大ファンである。最近入れたタトゥーは漢字の【奇】。奇兵隊が好き過ぎてらしい。
B「それでは、申し上げます。【おもしろき、こともなき世を、おもしろく。】命の灯が消える寸前に、この唄が。」
皆感動し黙祷する。
目を開けると、なんと!あのグラブ艦長の頬に一筋の雫が。
鬼の目にも涙!ということわざがしっくりくる。流石は日本の芸術文学。
恐すぎて誰も触れられないが。。
次は ㉔話 エリア3