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⑲話 クランク&バイブ

挿絵(By みてみん)


極悪兄弟、独房蟄居率(どくぼうちっきょりつ)ナンバー1、2である。

全てに反抗するが、唯一グラブ艦長には従順だ。

エリア3所属の彼らから、情報収集が先決という所だろう。


B「おい、今から2人とも出すが、グラブ艦長がお呼びだ。殺されたくなかったら、大人しくしとけ。」

 二人に拘束衣を着せ、連行する。


B「無駄口叩いたら、猿轡だ。静かにしとけ。」

バ「おいメタル(MJ)!てめぇテーザー撃ちまくりやがって!このドS女!いつかやってやるぜ~ひゃはは フグッ!」

 MJが拘束衣の上からフルパンチ。急所に的確、痛そう。

バイブはバカ丸出しだが、クランクは静かに伴う。彼はバイブより頭が良さそうだ。


B「艦長、連れてきました。」

グ「おう、脱がしてええぞ。暴れたら首千切ったるわ。」

 あのバイブがシャキッとしている。クランクも。


グ「で、お前ら、最後捕まった時の武器、どこから手に入れたんじゃ?」

ク「はい、ワームのオジキ経由です。」

 即答するクランク。やはりグラブ艦長に従順だ。


グ「武器受け渡しの流れを説明せい。」

バ「武器祭り言いまして、あるもんをパクってこいと、」

ク「3Dスチールプリンターです。その報酬に武器バラ撒いてくれました。エリア3以外にも、皆安値で売りまくりました。」

 もしかすると、あの暴動多発は仕組まれていたか?


グ「プリンターで何作っとるんや?」

ク「最初は武器を生産していましたが、ある程度まで配り終えると、(こも)って研究している様子でした。作っていた物は、どこから見ても6角形に見える(こぶし)ほどの金属でした。」


グ「(シード)か‥」

 何やらグラブ艦長が納得した様子だ。何か全く分からない。

M「親分、シードって何か説明してくれ。」

 皆聞きたいが質問しにくい所、遠慮なしのMJが発言。


グ「面倒(めんど)いが、しゃあないな。(シード)はな、ワームが開発した軍事兵器や。爆弾に近い。」

 一息ついて、また語りだす。

グ「アナログ(爆破)だけやのうて、主にデジタル兵器や。電磁パルス、それとウイルス。あれで随分(ヤレ)たな。あいつの得意技や。」


バ「そういえば、時間足りんからもう一台プリンター欲しいと言うてました。」

 そのシードとやらを大量に作ろうとしている?


グ「クランクとバイブ、お前らも部隊に加えたるから、エリア3の詳細をBノック、ホッグ、MJに話しとけ。ケンカすんなよ、千切(クビちぎ)るぞ。わしゃ一用事じゃ、話詰めとけ。」

 そう言っていつものように部屋を後にした。


次は ⑳話 レキジョ

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