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⑭話 解析

挿絵(By みてみん)


 あの事件から半年、2機体の解析作業に取り組んでいる。

しかし、デプスのメカニカルパフォーマンスは凄い! 改めて思う。

パイロットのポッパー、射撃手のフロッグさえも夢中で解析作業に参加している。


 本国では冷戦状態が続き、軍事開発自慢競争を展開している。久々に敵国の最新技術が手に入った。

ゲイル帝国の軍事開発は、白兵戦に特化した【機動性】が素晴らしい。関節ひとつにとっても、ベアリングひとつでも大幅に技術の差がある。

ヘドン共和国の軍事開発は、砲撃装備に頼りすぎている。

遠距離戦闘ではこちらに分があるが、近距離戦闘でやられ続けていたのはこれが理由だ。


残念なことに、電磁パルスでソフト情報が破壊されてしまったこと。

あの機動性はどんなプログラムが組み込まれているのか、一番欲しかった情報はそこだが。

しかし、本国より褒章(ほうしょう)を授与された。これからの解析で軍事開発向上に繋がる情報を見つけ出せれば、更に賞与が期待できる。


D「明日はデプス接近日だ、そろそろ切り上げて準備に入るか。」

ノ「艦長ぅ、これは、だい発見かもしれないですょ。」

 ノイジーが解体中のクモ(バルキー)から取り出した、6角形の金属塊(きんぞくかい)

その前に、我が軍の軍事プログラマー、ノイジー。芸術の趣味はオタク全般。この頃は北斎にハマり、こんな辺境に志願した有能なプログラマーだ。視力が悪いのにオペを行わず、メガネなる地球の小道具を顔にかける変わり者だ。可愛いなりをしているのに、いつもボサボサ頭で女性らしさは一遍(いっぺん)(うかがえ)えない。


Ⅾ「なんだそれは? 種子、みたいだな。」

ノ「鉄の種なんかあるわけないでしょ。でも中に何か入ってますょ。開く形状、中身を守られているのなら種という表現は間違いじゃないかもしれない。」

ノイジーはその金属塊を持って、自分のデスクへ歩いていく。


ポ「ヨー!ノイジー、お前が居ないと解体が進まねぇヨー!」

ノ「クチヤロゥはうるさいょ。無視無視。」

そう呟きながらデスクに張り付く、金属塊に夢中のようだ。


俺も彼女が夢中になる6角形の方が気になり、ノイジーの所へ。

何をしているかさっぱりだが、どうやらX線やガンマ線で内部を見ているようだ。喋りかけると怒られそうなので、静かに眺める。


ノ「艦長ぅ、やっぱ中にエネルギーの蓄積があったょ。」

Ⅾ「本当か!その目的はなんだ?!」

 思わず出た大声のせいで皆が集まってきた。

ノ「そりゃ、データをぅ発動するためだよねぇ。」

ポ「何が入ってんだ?」

ノ「それを今調べてんだょ」

 ノイジーは何故かポッパーに冷たい。


Ⅾ「まずは開けることからだな。」

ノ「開いたょ、今」

 全員がのぞき込む。誰かの唾をのみ込む音が。

6角形の細いラグビーボールの様な形状で、(とが)った部分が花のように螺旋状(らせんじょう)に開いている。

中には電極があり、何かに接続できる形状。


ポ「こりゃすげぇ!繋いで見ようぜ!」

ノ「バカかょ!あぶねーゎ」

フ「そうだな、ウイルス危険。」 珍しくフロッグが喋る。

ノ「完全なるオフラインの環境が必要だょ」

Ⅾ「すぐに準備する。」


次は ⑮話 十字


明日は昼12時と20時にアップします♪

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