⑬話 拘束
そして半年が過ぎ明日は月食、また警戒態勢だ。
何も起こることは無いと思うが、今度は準備を怠ることはない。
そして、ワームの捜索にやっと動きあり!
ファクトリーでMJが発見した。ワームは武装していたが、MJが素手でボコボコに。クルーに止められながらも、二人巻き添えに殴り続け、最後テーザーガンでおとなしくされた。
ひとつ気になるのは3Dスチールプリンターを盗もうとしていた。
そして、奴はなぜこの長期間見つからなかったのか?
理由は船の警備をハッキングしていた。
カメラの映像、各ドアを操作し、船を自由に動き回っていたのだ。
目的はまだ不明だが、尋問が開始される。重要人として僕も参加する事になり、今、尋問部屋に向かっている。MJは外されたが。
奴のせいでラバーJを失った。怒りで身体が震える。
B「Bノック到着しました。ドアロック解除お願いします。」
通常より強固で重そうなドアが開く。
部屋の中にはグラブ艦長をはじめ、ホッグとクルー2名。
マジックミラーの向こうには、警備のためのバルキーが1機、そして頑丈な拘束衣を着せられたワームが座っている。
グ「ホッグ、目隠しと猿轡を取れや。」
ホッグがバルキーを操作し、目隠しと猿轡を外す。
グ「おいワーム、久しぶりやのう。」
ワ「隊長、ほどいてくれや。わし何もしてへんやないか。」
グ「隊長言うな。何してくれてんねん、今すぐ撃ち殺したいわ。」
ワ「長い付き合いやないか。恐い事言わんといて。」
グ「やかまし。はよ言わな拷問かけるぞ。ヤマメ渓谷思い出させたろか?」
見るからに震え上がるワーム、ヤマメ渓谷で何があったのか。
ワ「待ってくれ隊長、言う言う!」
グ「Bノック、ほな後はやっとけ、わしゃ行くわ。駄々こねたら殺しに来るから言えな。ワームよ、ラバジに手合わせとけよ。」
そう言い残すと部屋を出ていく。
名指しで指示された!こりゃ嫌過ぎるが、部屋に残るは口下手なホッグと記録員のクルー2人。やるしかない。
B「おいワーム、目的から話せ。」
ワ「なんじゃ小僧、われラバジの元ペットやないけ。」
B「殺す!」
怒りを超えて言葉を発すると共に体が飛び出す。
ホ「待て待て!」
でかい体でいつも動かないホッグが、いの一番に抑えにきた。
ホ「ワームよ、もう大将呼ぶぞ」
ワ「じ、冗談やないか。少しからかっただけや。」
グラブを思い出させると誰もが正気に戻る。
B「できれば拷問なしで進めたい。掃除がめんどくさいからな。」
体温は上がったままだが、頭は正常に戻った。
ワ「あんちゃん、怖なかったらこっちの部屋こえへんか。」
ホ「調子に乗るな」
B「ホッグ、殺さない程度に吐かせるから、行かせてくれ。」
少し沈黙が流れ、ホッグが呟く。
ホ「何かあったら、バルキーで止めるぞ」
ブチ切れてもホッグが抑えてくれるなら安心だ。
なぜ挑発してくるのか分からないが、これで容赦なく暴力をふるえる。
次は ⑭話 解析
今夜20時にアップします♪