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侵略するなら四畳半から  作者: ぜるだちゃん
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かくれんぼ名人(出れないだけ)

下僕に見つからない様に物陰に隠れた吾輩にゃ、安心したのか急に眠くなって来たのにゃ、でも寝たらダメなのニャ、吾輩は優秀なエージェントだから眠るなんて事はしないのにゃ。

目を開けているけど意識が無くなる感じにゃ、でも大丈夫にゃ、下僕の声が聞こえるから完全に意識を失う事は無いのにゃ、それに身体も自由に動かせるようになったにゃ、良かったにゃ~。

でも変にゃ、下僕の声が聞こえないにゃ、どうしたのかにゃ? あれっ?何でこんなに暗いのにゃ?さっきまで明るかったのに暗くにゃったにゃ、それに狭いし臭いにゃ、窮屈過ぎて息苦しいにゃ、ここは何処にゃ? 吾輩は暗闇の中で声を張り上げたのにゃ、でも誰にも届かないのにゃ、おかしいにゃ? いつもなら下僕の「うるさい!」って怒鳴り声と共に電気ショックが来るのに、それが無いにゃ、一体どうなっているのにゃ? 不安になって来たにゃ、早くここから出たいにゃ、でもどうやって出るのにゃ?困ったにゃ・・・。んっ?今一瞬だけ光が見えた気がするにゃ、気のせいかにゃ? でもこのままじっとしていると怖くて仕方がないにゃ、とりあえず動いてみようかニャー。

おっ動いたにゃ、これで何とかなるかも知れないにゃ。

あぁーまた何も見えないのにゃ、どうすればいいのにゃ? 暫くすると遠くの方から誰かがやって来たにゃ、やっと吾輩を助けてくれる人が来たのにゃ!嬉しいにゃ!! でも変にゃ、吾輩がいる所に近付いて来ないにゃ、吾輩はここにいるのにゃ、お願いだから助けて欲しいにゃ! 段々近づいて来る足音が大きくなってきたにゃ、でも何故か吾輩の真横を通り過ぎたにゃ!?どうしてなのニャ!!! そしてまた遠ざかって行くにゃ、待って欲しいにゃ、置いて行かないで欲しいにゃ!あぁーもうダメだにゃ、もう一歩も動けにゃいにゃ、吾輩ここで死ぬのかな・・・嫌なのにゃ、死にたくないにゃ・・・。

んっ、何の音だろうにゃ?何か動いている音がするにゃ、これってもしかして下僕なのかな?だとしたらこれは夢なのかもしれないにゃ、だって吾輩がこんなに元気なんだもの、きっとそうだにゃ。

でもいつまで経っても目が覚めないにゃ、それにさっきからずっと動き続けているみたいだし、やっぱり現実なのかにゃ? う~ん、まぁいっか、もう少し様子を見てみる事にしようかにゃ。

んっ?また明かりがついたにゃ、眩しいのにゃ、それに何やら騒がしくなってきたにゃ、今度は何をしているんだろうにゃ? えっ?下僕の声が聞こえるにゃ、これは本当に現実の出来事だったのにゃ!? ヤバイにゃ、早くここから出ないと大変な事になるにゃ!でもどうやって出たらいいんだろうにゃ・・・。

下僕の気配を感じるにゃ、でもこの部屋には入ってこられないみたいなのにゃ、どうしてなんだろうにゃ?不思議だにゃ。

でもどうせすぐに助けに来てくれるに違いないにゃ、それまでは待つしかないにゃ、頑張るにゃ、吾輩は優秀なエージェントだから我慢できるはずにゃ。

でもまだ誰も来てくれないにゃ、どうしたのかにゃ? あぁーまた真っ暗になったにゃ、もう嫌なのにゃ、誰か助けて欲しいにゃ! んっ?何か音がするにゃ、下僕の足音に良く似ているけど違うような気もするにゃ、でも少しだけ近づいて来ているにゃ、もしかしたら下僕かも知れにゃい、早くここから出してにゃ!

・・・あれっ?下僕の声じゃないにゃ、でも下僕の声に似ている気がするのにゃ、誰なのか全然分からないのにゃ、どうなっているのにゃ? んっ?今光ったにゃ、もしかして懐中電灯かにゃ? 良かったにゃ~これでやっとここから出られるのにゃ。

んっ?誰か来たにゃ、でも下僕とは雰囲気が違うのにゃ、下僕よりも少し小さいと言うかなんかにゃ?違う何かがやって来たにゃ。

何でそんな目で吾輩を見るのにゃ?早くここを開けて欲しいにゃ、吾輩は優秀だから自分で開けれるけど今は疲れたから無理なのニャ、お願いだからここから出して欲しいのニャ。

んっ?何で黙っているのにゃ?無視しないで欲しいのにゃ、寂しくなるにゃ

「佐々木っち!迷子ちゃん発見!」

「えっ?本当ですか?」

「うん、間違いないよ、だって私が飼っていた猫にそっくりだもん」

誰にゃ、誰にゃ、下僕以外に誰か居るにゃ、それに何だか良い匂いがするにゃ、それに柔らかいのにゃ、気持ちが良いのにゃ、でも何だかちょっと苦しいのにゃ、息が出来ないのにゃ、あぁ~これは夢じゃなかったのにゃ、現実だったのにゃ、現実って厳しいのにゃ。

吾輩はもうダメかも知れないにゃ、でも吾輩は優秀だから大丈夫だにゃ、きっとこの窮地を脱して見せるにゃ。

でも吾輩は動けなくなったのにゃ、それに何故か吾輩がここにいる事がばれてしまったのにゃ、これはもう顔の下にあるクッションのせいにゃ、絶対にクッションが悪いのにゃ。

んっ?何だか身体が持ち上がったのにゃ、それにさっきまで吾輩が寝ていた場所から移動したみたいにゃ、一体どこに行くのにゃ? うわぁ~凄い光景なのニャ、下僕の家は意外と広いみたいにゃ、吾輩こんなに高い所から見た事が無いのにゃ。

あっ下僕が帰って来たにゃ、でも下僕の後ろに居るのは誰にゃ?見た感じだと女性だけど・・・。

えぇー!下僕の奥さんなのニャ!?嘘にゃ!下僕のくせに生意気なのにゃ、許せないのにゃ! えっ?下僕の奥さんの膝の上に乗せられたのにゃ・・・。何故だか知らないけど頭を撫でられているにゃ、でも悪い気分じゃないのにゃ、それにこれはこれで悪くないのニャ、でも吾輩がこの女の手の上で転がされていると思うと腹立たしいにゃ。

んっ?今度は抱っこされたのにゃ、

「わたしは、白濱カレンよ。宜しね!」

えっ?喋り方が下僕に似ていて変にゃ、でも優しい声なのは認めるにゃ、下僕の奥さんだから優しく接しないといけにゃいにゃ・・・って、下僕に似過ぎていて気持ち悪いのにゃ!早く下僕から離れて欲しいのにや!

「佐々木っち、この子の名前は?」

名前?何の事かにゃ?もしかして吾輩の名前の話なのかにゃ?それなら吾輩には名前が有るのにゃ、下僕に付けて貰った大切な名前があるのにゃ!でも今更それを言っても通じないのは分かっているから言わないのにゃ。

んっ?下僕の奥さんが吾輩の顔をじっと見つめているのにゃ、でもそんなに見つめられたら恥ずかしくて照れてしまうのにゃ、でも綺麗な瞳なのニャ。

んっ?また吾輩を見ているのにゃ、もしかしたら吾輩の顔が気に入ったのかニャ?それは嬉しいのにゃ、吾輩イケメンだから仕方がないにゃ。

「名前は・・・」

「キャー!!可愛いぃ!!」

吾輩の名前を言おうとした時、急に大きな声を出して叫んだのにゃ、びっくりしたのにゃ、それにちょっと怖かったのにゃ。

でも何だか嬉しそうな顔になったのにゃ、それに吾輩の事をずっと触っているのにゃ、でも不思議と嫌な気持ちにはならないのにゃ、やっぱり吾輩は優秀だから我慢が出来るのにゃ。

「よし、お前は今日から『タマ』だ!」

えぇー!

「白濱、コイツの名前はシロだよ!」

はぁ~、結局こうなるのにゃ・・・。

でも下僕が付けた名前だから仕方なく受け入れてあげるのにゃ、感謝して欲しいのにゃ。

吾輩は優秀な猫だから本当は何でも出来るのにゃ、でも今は疲れたので大人しくしてあげてるだけなのにや..

それに、吾輩かくれんぼ名人なのにゃ!


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