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41話

■今から約2か月前の12月24日になったばかり、時間は深夜1時■


あみは幽体離脱を行い、助けてくれたお婆さんを探しに相模湖へ向かう。


「お婆さんが消えたのは、入り口近くの大きなツリー周辺。まだ消えていなければ、そんなに遠くは行けないはず。」


しらみつぶしに捜索するが、一向に見つからない。先日平和教に追われ力を使い過ぎているためか、飛び方が覚束ない様子。


「早く見つけないと体に帰れなくなる…。まだ探してないところは…丘の上!」


あみの予感は的中した。丘の頂上にポツンと設置されたベンチに、ほとんど見えないほど薄くなっているお婆さんが腰を落とし、夜空を見上げていた。


「お婆さんっ!!」


空から急降下しお婆さんのところへ。ベンチまで到着するが、同時にお婆さんはこと切れたかの様にあみの方へ倒れてきた。


「お婆さん!大丈夫っ!?お婆さん!!」


「…あみ、ちゃん…?」


「そうだよ!消えちゃだめだよ!!」


あみはお婆さんの手をとっさに握ると、振り絞るような声でお婆さんが語りだした。


「私…少しでもひょうちゃんを守ることが出来たのかしら…。あの子には本当につらい思いをさせてしまったの。守ってあげることが出来なかった…。だから今世では絶対に、何があっても守るって誓っていたの…あみちゃん、ひょうちゃんのこと、よろしく…お願いします…。」


そう伝えると静かに目を閉じた。


「お婆さん!何言ってるの!?まだ消えちゃだめ!!帰れなくなるかもしれない…でもやるしかない!」


あみはお婆さんの手を強く握り、自分の命を分け与えるかの様に目を閉じ集中し始める。


何と、お婆さんの姿が少しづつはっきりとしてきた。あみはお婆さんの手を握りながら苦しそうに肩で息をしている。


「これ以上は無理だ…早く帰らないと…。」


まだ目を覚まさないお婆さんの手を優しくベンチに置くと、後ろ髪惹かれる気持ちを残し、地上からふらふらと飛び立った…。


■そして現在。深川不動堂■


「ちょっと待ってて!さめちゃんにすぐ伝えてくる!!」


お婆さんは何かを言いたそうにあみへ手を伸ばしたが、あみは一瞬で体に戻ってしまった。

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「さめちゃん!前に助けてくれたお婆さん!あの相模湖で見たお婆さん!今あそこの、鳥居の影のところに居るよ!」


「お婆さん…?もしかして、逃げろって伝えてくれたお婆さん!?」


お礼を言わなきゃ!そう思い俺らは鳥居の方へ駆け寄った。


「今ここに立ってる!」


あみちゃんが自分の隣りを一生懸命ジェスチャーで人型を作っている。


「お婆さん、この前はありがとうございました。」


…?あみちゃんがまた動かない。この感じは、話でもしているな。


暇そうにしていた子供たちは、隣に公園があることに気づき一目散に駆け出して行った。


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「ひょうちゃん、そんな言葉を掛けてくれるなんて…あみちゃん、ありがとう。」


お婆さんはあのままベンチで眠りについてしまい、何日か前に目覚めたそう。とりあえず自分の地元に戻ったが、やっぱりさめちゃんのことが気になってしまい新勝寺のアチャを訪ねた。すると今ここに来ていることアチャから教えれ、一緒に連れて来てもらったそうだ。


「そうだったんだ。でさ、お婆さんってさめちゃんの何なの?ずっと守ってたんでしょ、さめちゃんのこと。」


お婆さんは言いづらそうにしているが、一つ息をのむと小さな声で語りだした。


「私は…私は、この子の前世の母親だったの。」

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