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4話

「で、このお化けはいつまでここにいるんですかね?」




「…目が陥没して黒くなってる。人間の時の自我は殆ど無いタイプだね。」




パンの陳列棚の方向を向き、うつむいたまま動かないらしい。あの、そろそろ搬入の時間なんでそちらで作業があるのですが…。




「んじゃ、私明日も朝早いからそろそろ帰るねー!」




-----


「なんか相当怖がってるし、帰り際に消しとけばいっか。


-----




ええーーっ!ちょっ、ちょっと待って本当に。吉田さんはお化けがいると言っているパンの陳列棚を颯爽と通り越して帰宅した。





どーしよ、お化けが居るなんて言われたまま作業なんか出来るわけないじゃん。無理無理無理無理。でもやらないといけないし、どーすりゃいいのよ!




「岩田さん、まだお化け居ますか?」




「んー、今は見えなくなったけどどうなんだろおねぇ。」




怖い、怖すぎる…。さっきからパンの棚は避けて業務出来てるけど、朝の搬入が来たらお化けの近くまで行かなくてはならない。




そうこうしているうちに朝の搬入がやってきた。もう終わりだ、逃げたい、どうしよう。




ピッ。




岩田さんがレジで何かを買った思うと、パンの陳列棚周辺に塩を撒き始めた。




「ほら、これでもう大丈夫だから、作業始めるよ!」




岩田さん、本当に神です…。




この一件のお陰で作業は遅れたが、店長が出勤してくるまでには終わらせる事が出来た。家に着く頃にはもうぐったりだ。




「お、康平おかえり。」




「ただいまー、疲れたぁ。そういやさ、お化けが見えるっていう友達が出来たんだよ。」




絢香がもう直ぐ出勤だというのに、これまでの事を話したくてたまらない。ちょっと楽しかったのかな。




「へぇー、お化けねぇ。まぁ、私は信じてないけど。見たことないし。康平は他人を信用し易いから、直ぐ騙されそうだよね。じゃ、いってきまーす。」




絢香の言葉が妙に染みた。吉田さんがお化けが見えるって言ってるから、そっくりそのまま信じていたけど…それっておかしいのかな。良くわからん。

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