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33話

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時間は18時。飛び立ってからわずか2分ほどで平和教聖地の大聖堂前まで辿り着いた。


時間も時間なので大聖堂前の広場は人間の信者も、お化けの信者もいない。


門の前にはお化けの黒スーツ2人が警備をしている。


「まさかまたここに来るなんて思ってもみなかった。そこのスーツの人、私来たよ。」


声を掛けられたお化けの警備黒スーツは、腰を抜かしそうになりながらも大聖堂の中に入り誰かを呼びに行った。


「あみちゃん、こんなことをしたらあなたが捕まってしまう。早く逃げて!私は大丈夫だから!」


「勢いでここまできちゃった。私もどうしたらいいのかわからないけど、なんか見放せないなって思っちゃって。おーい!誰かいませんかー!?」


大聖堂の中から沢山のお化けの人たちが出てくる。やはりその中心にいるのはベムだ。不敵な笑みを浮かべながら話し始める。


「あいにく本日4代目様は奈良の聖地に出かけていらっしゃる。ようこそいらっしゃいましたコトノハナヒメ。」


「…あの、よしえさんのこと消すのやめてもらえませんかね?」


「平和教の最も大切な宗教理念は手を取り合い、皆で幸せになること。もちろんそんな乱暴なことをするわけないじゃないですか。お前、良くやった。もう下がっていいぞ。」


「違う!私は本当にあみちゃんと康平君に謝りたかっただけ!私なんか消えてもいいの!だからあみちゃんを帰して!」


「何を言っているんだ、お前は晴れて天界へ上ることが出来るんだぞ。」


「違う違う!天界へ行けたところで私の愛した人とはもう会うことは出来ない…。そんなの私の幸せじゃないんです!」


「何を言う、専従者同士結婚もしてあんなに幸せそうだったじゃないか。」


「…その人は、本当の私じゃなくて専従者としての私を気に入っていただけなの!

私もそうだったからわかる、ごめんなさい、ごめんなさい…。夫は天界に行けたんですよね!?」


「さぁ、私は知らん。自分の目で確かめに行ったらどうだ?」


よしえは悔し涙をにじませながら膝から崩れ落ちた。その背中をあみがそっとなでながら、優しい声で語り掛ける。


「よしえさん、大丈夫だよ。もう泣かないで。ごめん、今触った時よしえさんの気持ち伝わってきちゃった。よしえさんのこと信じてみようって思ったの、間違いじゃなかった。」


よしえは大粒の涙を流しながら、嬉しそうな顔であみを見上げている。


「さあどうしますか?ヒメが私の手を取って頂ければこの女は浄化されなくて済みますが、このまま帰られるようなら粛清が必要となります。本当は体ごと来ていただきたいのですが、幽体だけでも結構。私から4代目様に説明させていただきます。」


ベムは笑いをこらえるので必死だ。あみの方へ手を伸ばしていく。


「あみちゃんに触らないで!!」


よしえは力を放出すると近づいて来ていた信者たちをなぎ倒した。ベムだけはなんとか持ちこたえている。全ての力を放出してしまったせいか、よしえはそのまま倒れ伏した。


「よしえさん!!」


あみはよしえを抱きかかえて起こそうとするが、ベムはすかさずこぶしを握り締めると、あみの頭痛が何倍にも膨れ上がる。


「このババアを隔離部屋へ連れていけ!…さあヒメ、どうなさいますか??」

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