VRゲームは自由すぎて難しい
VR。
それが持つ可能性は無限大と言われますが、私は気付いてしまいました。
これ、比喩でも何でもなくガチで無限大だ、って。
どういうことかというと簡単な話ですよ、VRって新しい異世界を作り上げることができるのです。
それは様々なVRMMO批判から読み取ることができます。
彼らは言っているでしょう?
『それ異世界でやれ』って。
つまり異世界でできることはVRでできるって事なんです。
まあこれはVRMMOはリアリティが無さすぎることへの批判として使われる言葉なので、あまり適切ではないかもしれません。
でも、異世界でできることはVRゲームでもできますよね。
魔法やスキルはもちろん、シングルプレイならいくらでも俺tueeeできるでしょうし、NAISEIしたいならストラテジーがありますし、恋愛がしたいならギャルゲー乙女ゲーをすればいいのです。
「いや、ストラテジーとかVRでできるの?」
こう思った人は考えてみてください。
如何にもな書類が目の前にあります。その書類は隣国への最後通牒。目の前では丸いテーブルを囲んで座る閣僚たちが、決断を迫る鋭い目で静かにコチラをみています。戦争するかしないかはあなた次第。その書類に判を押せば、国の財産である若者を沢山死なせることになります。しかしながら、戦争で得られる利益も国の大きな財産となります。貴方はその書類に判を押しますか。
いやあ、現実じゃあ絶対にその場に居合わせたくないような状況、でもVRならそれはゲームを形作る一要因になります。
重要なのはその場で何をしたっていいことです。
コメディみたいに笑いに走ってもいい、戦記物みたいにシリアスに走ってもいい。
VRは自由なのです。
なにせゲームですから、リアリティを求めることと現実でできないようなことを両立する、それが矛盾しないのです。
その基本はゲームですが、ゲームがカバーする領域はあまりにも広い。
その力は見通せません。
だから、小説では「そんな設定むちゃくちゃだ!」って言われるものすらゲームでは存在し得るのです。
例えばスキルのようなものやアイテムなどを自分で作れる、そしてそれを実際に使える。
よくあるVRMMOの設定ですが、大抵のMMOゲーマーは思うはずです。
「いやそんなわけねえだろ」
大抵主人公しか使えないですけど、自分で作れるスキルやアイテムが強かったらその製作法などが氾濫する筈なんです。
だからリアリティがないって言われちゃうんですね。
でもこの事実は決して「スキルを作ること」を否定しているわけじゃないと思うんです。
むしろマイン◯ラフトのように現実でも作ることを主題に置いたゲームは沢山あります。
VRゲーム小説で重要なのは「誰もがシステム的に公平にされる」ことだと私は思うんです。
デザインは自由にできるけど使うアイテムが同じなら性能は同じとか、効果が強ければ強いほど制限も強いとか、自由であるからこそどこをどう制限するかでゲームの面白さが決まると私は思うんです。
世の中で今流行っているVRMMOはリアリティがないって言われてるんですけど逆だと思うんです。
あまりにも自由すぎて、ほとんど現実と同じような不公平な理不尽があることがダメなんだと思うんです。
手に入れるのは主人公だけなんです、大抵の場合。
それはゲームじゃなくて異世界や現実でやればいいんです。
異世界や現実は自由ですからどんな不公平があったって許されます。
でもゲームは面白さのためにその自由を制限しなければいけない。
どんなに精密で綺麗な装飾を施しても、性能は使ったアイテムで決まれば決して強くなりすぎることはないでしょう。
強くなってしまった?大丈夫、周りも同じアイテムを使ったことにすればいい、みんなおんなじ強さになる。
どんなに現実で強くたって、どんなに攻撃が綺麗に入ったって、攻撃力がレベル依存なら強くなりすぎることはないでしょう。
強くなってしまった?それも大丈夫、他のやつをもっと強くすればいいだけだから。
インフレした?PSO2見て、どうぞ。現実にもあるからリアリティは大丈夫(なお面白いかはノーコメント)。
ゲームは自由だからこそ制限が重要。
これは言いました。
でもどう制限すればいいのか。
これが一番難しいと思います。
これは現実のゲームから学ぶのが早いと思います。
ゲームっていうのはたくさん現実にあります。
神ゲーを参考に、クソゲーを反面教師に。
これだけでもかなりマシになるんじゃないかな、と思います。
工夫次第でその「議論するまでもないクソゲー」は「面白そうなゲーム」に出来ます。
リアリティなんて気にする必要はないんです。
そもそも、VRなんていう現実で実現しそうもないものを扱ってるんですから、リアリティなんて投げ捨てて良いんです。
面白ければ良いんです。
ただ、自分にとって今のVRはクソゲーを神ゲーって言ってる感じがしてならないんです。
よくある批判ですけど、結局なろうのVRは「主人公のためのゲーム」に見えるんです。
主人公ありきで主人公がいなければ面白くなさそうに見えてしまうんです。
これは勝手な自分の意見ですし、自分がつまんないと思ったゲームも、面白いと思う人はたくさんいると思います。
そんな今だからこそ、自分は「VRだからこそできるゲーム」を求めています。
自分勝手だとは思いますけど、まずはこういう小説の需要があるって言いたい。
何故現実でできるMMOをわざわざ小説にするのか。
他にももっと面白いゲームはあるはず。
アイデアはあなたの頭の中に、色々あると思うんです。
あなたの経験やあなたがよく知る分野の知識、それらを使って「僕の考えた最強のゲーム」を考えてほしい。
もちろんVRじゃなくても良いんです、なんならゲームじゃなくても良いんです。
シングルRPGやストラテジーは中身の設定を使ってファンタジーやSFで書いても良いし、ギャルゲー、乙女ゲーはストーリーだけなら恋愛だし、上で書いたようにゲームにはいろんなジャンルがあります。
ゲームでいいのはそれが現実に影響しにくいということ。
ゲームの中で死んだって現実じゃ死にません。
ゲームの中でいくら悪いことをしようとも、現実には裁かれません。
あらゆる重い出来事を軽くする、そんな力もゲームにはあります。
ゲームで出会った人にストーカーとかはありますけどね。