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三人目、一話

『おい、おーい! 起きろ! 』


「あ? ふぁあああ」


 俺は誰かに叩き起こされた。物理的に叩かれたわけではなく、どこからか聞こえてきた大声によって叩き起こされた。いいじゃないか、久々の休みくらいゆっくりと寝かせてくれよ……。


『呑気だな……。まあいいや。おはようございます。蔵本(くらもと) 祥真(しょうま)さん』


「うあ? ここどこだ? 」


 まったく、寝起きは弱いっていうのに話しかけてきやがって……。家じゃないな、家にはこんなスピーカーなんてないし、こんな湿った臭いもしない。それに、こんな木造の家になんか住んでねぇし、こんな所に来た覚えもねえ。


 これはいったい何なんだ!


『そう怒らないでくださいよ』


 ん? 俺、顔に出してたか? それより、さっきからこの声は本当に何なんだ!


『声に出してなくても顔に出てますよ。ところで、何か質問はありますか? 』


「んえ? あー、お前誰? 」


『ようやく聞いていただけたようで。貴方のようにテキトウな人は嫌いじゃないですよ。私が誰か、ですよね。私は……コウという名を名乗っているものです』


 コウ……コウか、聞いたことないな。うーーーーーーーーん。あんまりいい状況では無さそうだな。


 確か、朝起きて家のすぐ裏にある職場に行って、事故も起こしてないし、あの日は実家に帰ったから職場から車をとって帰ったな。で、次の日に車で職場まで行って、取引先に行くことになって……。その後のことを覚えてないな。何かあったならその時か、俺が覚えてないだけか。まあ、考えてもこの状況は変わらないわけだし、どうでもいっか。


「どうして俺はここにいるんだ? 」


『え、それ聞いちゃいます? 聞いちゃうんですか? あとの方が良かったのになー』


 声は幼そうだし、これはわがままなのか? いや、声だけが幼いやつなら山ほどいるか。ただ、声だけの印象で行くと小学生くらいかな。ああ、嫌なことを思い出した。


『まあいっか。教えます』


 文句を言っておきながら教えるのか。そういうところがテキトウなのか。コウ……だったか。人のことをテキトウな人って言えないんじゃないのか?


『私は珍しく怒ってないので、もらった原稿をそのまま読みますね』


「あ、はい。どうぞ」


 原稿があるのか。あと、珍しくってことは俺以外にも誰かいたのか? 考えてもしょうがないことだけど。


『貴方は少し前、四年くらい前に事件を起こしています。それは、この子、コウやこの内容を書いている私にとても関わってくるものです。なので、貴方に悪気があろうと無かろうと、私たちは貴方のことをこう呼ばせていただきます。"異常犯罪者さん"』


 あ、あれか。犯罪者ってことは、やっぱり俺も騙されていたのか。今から何があるのだろうか。

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