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二人目 三話

 やっぱり、手元の明かりもないし、薄暗くて登りずらいわね。それに……、暗くてどのくらい登ったかどうかもわからない。不便だわ。


『そんなにゆっくり登ってて平気ですか? 言っときますけど。諦めて舌を噛んで死ぬことは不可能ですよ? 阻止する方法ならいくらでもありますし』


 コウは、登り初めのさっきからずっと話しかけ続けてくる。私の集中力を切らして登らせないつもりなのかしら? じゃあ、この箱を登るのが正解ってこと? まあいいわ、登ってみればわかることだもの。


『そうだ、木之内さん。貴女がここに連れてこられた理由を教えてあげるよ! 』


 興味はない。そう言ってあげたい気もしたけれど、それだとコウの思う壺って感じがしたから私は黙っていた。すると、調子に乗ったのかコウは勝手に話始めた。


『貴女が異常犯罪者だからだ』


 コウは、厳しく、冷たく、私を咎めるように言った。いや、実際に咎めているのだろう。幼く、可愛らしい声の裏に、何かしらの憎悪は抱いていた。


 コウの言葉に驚いて、私は手を滑らせてしまった。あ。その一言だけが脳裏に浮かんだ。


ダッ


 特に響きもしない音をたてて私は床に落ちた。木もしなりはしたが、床が壊れるなんてことは全くなかった。


「痛たたたたた……」


 コウの言う通り、全くうまく登れていなかったようで、ただ、強く頭を打っただけですんだ。


『大丈夫ですか? 異常犯罪者さん(笑)』


 あからさまに笑って幼いコウの声が響いた。うるさいし、イライラする。ただ、私をイライラさせようとしているのが分かりやすすぎるのよ。だから、何も答えない。


『木之内さん? 急いで登らないと、後四分ないですよ? 』


「えっ! 」


 つい、反応してしまった。こう言われたからって死ぬ気は更々ない。ただ、この箱から脱出するつもりしかない。そのために、あの穴が気になるから見に行かなくてはならない。時間を過ぎると何をされるかわからないから時間内に。


『ほらほら、早く登らないと大変だよ』


 相変わらず煽ってくるのね。コウは、私が何を言っても煽り続けるだろう。だから、何も反応を見せないと言うことが正解。


 だから、反応を見せては行けないって言うことはわかるんだけど、わかってるんだけど……。


「何であなたはそんなにうるさいのよ、静かにしなさい! 私が集中できないでしょう」


『……そうねー』


 私は始め、自分が叫んだことには気づいていなかった。しかし、私が叫んでしまったことに気がつくと、コウは少し間をおいて考えるような言葉を発した。


 そして、十三秒ほどたっただろうか。コウの返事は帰ってきた。


『あなたが残り三分、何もせずに死を受け入れるのならば、私は黙ります。残りの人生三分間をお楽しみください』

投稿が遅れてしまい、すみませんでした。けれど、こうして続きを投稿することができました! 今日はテンションでも高いのですかね?まあ、また近いうちに投稿して木之内愛を殺します。

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