『妖獣怪奇譚~争われしアヤカシの血~』
長編三作目『妖獣怪奇譚~争われしアヤカシの血~』
構想期間 2014年頃~
連載期間 2018年4月1日~7月15日
いろいろネタを思いついた中で、一部だけ採用となり、他の多くはボツになった、という話はしました。実はこの妖獣怪奇譚も原案はその採用のうちの一つで、構想自体は昔からあったことになります。
人間を食糧としながらも、人間の姿をして社会に潜伏する妖獣の存在を描くこの作品ですが、単に人間と妖獣の戦いだけでは収まりません。
そもそも妖獣を討伐するのは退妖獣使という、妖獣の中でも人間に味方する存在になっています。退妖獣使は特殊な訓練を積んで、人間を食べなくても生きていけるようになっています。妖獣も二種類に分かれており、先祖となるアヤカシの血を一種類しか持っていない半妖獣と、半妖獣どうしが結ばれ生まれた、二種類のアヤカシの血を持つ四半妖獣とがいます。人間に味方する退妖獣使はすべて、前者の半妖獣です。
さらに半妖獣の中にも退妖獣使でない者がいたり、半妖獣であっても人間を食糧にしないと生きていけない者、四半妖獣であるにも関わらず人間を食べるという行為を嫌う者と、それはそれは多種多様です。これがこの物語のカギでもあり、話をややこしくしている元凶であったりするのですが……。
この作品から意識しだしたのは、投稿頻度です。それまでは書き上がり次第投稿するような計画性のないものでしたが、この作品に関しては三か月間書き溜め期間を設けて、三十か四十話分くらいストックを作りました。
これは有名な話かもしれませんが、なろうに投稿するにあたっていわゆる初期ブーストを狙う、というものがあります。すなわち話の方向性が分かるまで序盤の投稿頻度を上げて、新着小説の欄に表示される回数をなるべく増やして、より多くの人の目に触れさせよう、ということです。
実際これをやってみて、自分なりに得られた結果を先に述べると、「確かに効果はある」……です。
実はストックを作ったまではいいのですが、肝心の投稿の段階になってストックがみるみる減っていくのが惜しくなって、早めに投稿ペースを落としてしまったのです。短い期間ながらも頻繁に投稿していたことで、ポイントはそれなりに伸びたのですが、正直あと少し我慢して投稿していれば、もうちょっと読者の方を大目に獲得できたかな、という印象です。
これを書いている現在は五作目の長編をやはり書き溜めしている最中なのですが、もう少し我慢して、序盤を一気に投稿していきたいところですね。投稿ペースの面から得られた教訓はこの辺りでしょうか。
加えてただデイリーランキングに乗って「ちょっと有名人」の気分を味わいたいのであれば、”ハイファンタジー以外”のジャンルを書けばいいということも分かりました。もちろん大ジャンルごとに読者の数も傾向も異なりますが、少なくとも同じファンタジーの大ジャンルに属するローファンタジーは、やはりファンタジーという名前が冠されているためか、ハイファンタジー以外の小ジャンルの中では読者数が多いと思われます。ハイファンタジーは非現実世界を舞台としている作品が多く、異世界ものが席巻している一面もあるので、
・異世界ものでない作品を書きたいと思っている
・ファンタジーを書きたい
・いろんな人に読んで欲しい
くらいの条件がそろっているなら、ローファンタジーを書いてみてもいいかもしれません。ただし異世界ものにも関わらずランキング狙いでローファンタジーにする奴、テメーはダメだ。故意か過失かに関わらず、シンプルにアホが露呈してますよ。