表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒と白  作者: ナーナー
一章 戦いの始まり
7/8

第6話

ズバリと体に線が入る。深くは無いが血が大げさに流れていく。


ヴァムピーラの速さは止まらない。瞬時に右手からナイフを召喚させて振り下ろす。

ギィンと音が鳴り響きナイフの軌道がナイトから離れる。振り下ろしたスピードを緩めずに地面まで突撃して地面をえぐった。

ナイトはすかさず剣を振り下ろすも瞬時にヴァムピーラは後ろへバックして避けた。


「二刀使いかよ…」

短い刃の二刀流は中々に手強い。速さに加えての追撃が受けずらい。

お互いにまだ武器の召喚しか魔力を使っておらず、何を隠しているのかはまだわからない。

ナイトはフッと笑い剣を手放す。ガシャリと音を立てて黒光りする剣は白い光へと変わっていった。

何も持たない両手に黒光りする短剣を出現させる。


「俺も二刀は得意なんだよ」

「…だから?」


楽しい。


体が疼くのがわかる。


体が求めいていたのがわかる。


ナイトは笑みを隠し切れなかった。

ナイトはニヤリと笑い。短剣を構える。

平然とした態度を取りたかったがもう無理だ。


「…気持ち悪い」


喋らずともナイトを見ればわかる。楽しんでいる、この殺し合いを。

ヴァムピーラはしゃがみ走りでナイトに一瞬で近づく。

ナイトの腹にめがけてナイフを横切る。ナイトは猫背の姿勢で剣をかわして上段から剣を振り下ろした。

ヴァムピーラはもう片方の剣で上段からの攻撃を弾き、空振った右手を後ろから前に突き出した。

ナイトはするりと体の向きを変え、ナイトの前をヴァムピーラが横切る形になった。

ナイトは思いっきり剣を振るう。ヴァムピーラの右手は突き出したまま、動く左手を動かして剣でナイトの攻撃を受ける。

ドンッ!!!とヴァムピーラは叩き落とされ地面に激突する。クレーターが作り出される程の威力がヴァムピーラに襲いかかる。


「がっ!!っっはぁ!!」


肺から少ない酸素が吐き出される。

ナイトは欠かさず追撃をする。

ヴァムピーラはナイトと逆の方へ転がり立ち上がろうとするが、片膝を付いてナイトを睨む。

ナイトはヴァムピーラに近づき剣を振った。ヴァムピーラも剣を振ってナイトの剣を弾く。ナイトはもう片方の剣で追撃する。それもヴァムピーラは弾いた。

力の差であろうか、ヴァムピーラの弾いた自分の剣は大きく外に、ナイトの始めの剣は構えられていた。

両手を開いているヴァムピーラには避けることは出来ない。

ナイトは剣を上か下へ思いっきり振り下ろした。


「終わりだ」

「時速倍、設定倍数…1.5」


「?」

両頬には樹形図の様な赤い紋章が現れた。

刹那、ヴァムピーラの腕は素早く構え、そしてナイトの剣を弾いた。

「なっ!?」

ヴァムピーラは2回ナイトを切りつける。胸の部分に切り刻まれブシャアアと血が溢れる。


「あ…ヤべ」


ナイトは脱力して膝から崩れ落ちる。

ヴァムピーラは2本の短剣を捨て、両手剣を出現させる。

ガチャリと音を立て、ズンっと両手に収まった。

ナイトはそれを呆然と身送るしかなかった。両膝をついて前に倒れて行く。そこにグサリと腹に剣が突き刺さる。

倒れる動きは止まる。腹からは血が大量に流れる、足元は血溜まりができていた。


「…下衆め」


剣を抜き剣は光となって消えていく。ブシャアアと血は吹き出し、そして蛇口を閉めるかのように勢いは減っていった。

頬の紋章は消え安堵の息をついた。

返り血を真っ当に受けたヴァムピーラは髪も服も血に染まっている。

ペロリと頬を伝う血を舐める。


「早く我がマスターを助けに行かなければ、あの3人はどれも強い。マスターだけでは絶望的だ…」

まあナイトが死んだのだからあの中のマスターも死ぬだろう。

「だが油断は出来ない」

ヴァムピーラは思いっきり地を蹴りジャンプした。我がマスターの場所へ急がなければ…

辺りはシンと静まり返っている。

「…………ふ、はははっ!!」

ナイトはやはり楽しみの笑みは隠せなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ