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黒と白  作者: ナーナー
一章 戦いの始まり
6/8

第5話

「やっぱ楽そうだな、その水晶」


ふわふわ浮いている水晶の上に繭は座っており、クルクル回ったりして遊んでいる。

「でしょでしょー?これさあ、もっの凄く楽しいの!高いところにも行けるし、足は疲れないし!」

「それでも魔力を使うや術式の維持なんかで大変でしょう?」

「うーん、それほど無いかな。自転車漕ぎながら音楽聴いてる感じかな」

「貴女のその計算能力を1/10ぐらいは欲しいわ」

セルフィは無邪気な天才に苦笑いを見せた。


「ーーーーっと、やっと玄関に来たな」


大きな門からは大きな屋敷に繋がる道が見える。もちろん鍵が丁重に掛かっており壊すしかあるまい。

「マユ、やっちゃって」

「はいはーい。グライビレイ!!」

一瞬にして目の前の鉄の門がグニャリと曲がりながら潰れて行く。

目の前のコンクリートが円形にべっこりとへこんでしまっている。


「重力魔法か、強力だな…」

ナイトは呆気に取られながらも潰れている光景から目が離れなかった。

「ふっふーん。面積が小さければ小さいほど重力を強く出来るんだからね♪」

木々に囲まれた屋敷は木々の中に隠れるような作りになっていた。屋敷、庭、木々と屋敷を包囲する感じになっている。

「あの、奥様。さっきまであちらに人なんていらっしゃいましたか?」

目の前の屋敷に繋がる通路、所々に噴水やら花畑が色とりどりに咲いている。そんな美しい道の真ん中に1人の少女が立っている。


赤いワンピースで黒い長髪。幼い顔が可愛らしい。肌は白く生きているのが不思議なくらいに生気が感じられない様に見える。


「首に鎖のマークが…」


1番視力が高い雛が驚愕する。

「お前ら下がれ…死にたくないならな」

殺意がビリビリとナイトから感じる。相手は魔物だ。今からは油断をすればこの世にはもういられないだろう。


「俺があいつを足止めするから、その隙に行け」

「私も残るよ」

繭は険しい顔で相手の魔物を睨んでいる。

「足手まといだ」

「……っ」

自分は魔法の自身だけはあるのだが、ナイトからすれば足手まといと来た。

「……わかったよ」

「それが利口だ」

フッと少女は消えた。少女が立っていた場所にはふわりと砂埃が残る。

瞬時、セルフィの目の前に少女が現れる。手にはナイフを持ち、それを振り上げた状態で。


「ーーーっ!!?」


ギィーン!!と高い金属と金属の擦れる音が鳴り響く。セルフィの前にナイトが片手剣でナイフを受け止める。

ナイトは剣を押し上げ相手の腹部に蹴りを思いっきり入れた。

蹴りは見事に入り真横の木々に少女はぶっ飛んだ。

ドゴッと木に背が当たりズルズルと落ちる。普通なら骨が何本かは折れる威力だ。

「やりましたね、ナイト」

セルフィはにこやかに参照を上げる。

ナイトの表情が変わらない。険しい顔のまま声を張り上げる。

「何してんだ!!早く走りやがれ!!」

「え、でも…」


「いいから早く!!!」


剣を構えたままナイトはジロリとセルフィを睨む。

「わ、わかりました。行きますよマユ、ヒナ」

繭と雛は無言で頷きセルフィに着いて行く。


「私の名前はヴァムピーラ、貴方は?」

2人になった時に少女は口を開いた。

「俺か?俺はナイトって呼ばれている」

「そう、ナイト…ばいばい」

そばに落ちていたナイフを握りナイトの首へシュッと振った。

「くっ!」

キィン!と片手剣で受け流しもう一度ヴァムピーラを横蹴りする。

「………」

ヴァムピーラは予想していたのかジャンプして足を折り曲げて避ける。

その時ナイトの肩に片手を添え、右手の方でナイフを構えた。

ナイフをもう一度振り、首を狙う。

ナイトはしゃがみ避け、右ストレートをヴァムピーラの腹にぶち込んだ。


「ゔぐっ!」


後ろに飛ばされそのまま倒れこむ。

ゴホゴホと咳をしながらこちらを睨む。

「まだやるのか?」

こいつは首を重点的に狙ってくる。当たれば終わりだがわかっているならその隙は大きい。現に相手は2度自分の攻撃を受けているだから。

スピードどコントロール十二分。セルフィ達が戦えば間違いなく終わっていただろう。が、俺は生半可では倒せない。

刹那。目の前のヴァムピーラは逆持ちでナイフ構えて横から首を狙った。

「わかってんだよ!」

剣を相手の軌道に構える。

しかし、ヴァムピーラはナイフから手を離して半回転する。

右手から左手にナイフを持ちかえてもう半回転。それは0.1勝秒の速さで起こり、ナイフの軌道は見事に腹部へ切り替わった。



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