表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

今日は男♂ 今日は曇り☁

 

「どういうことだ?」


 俺は今、女だ。


 昨日は男だ。


 一昨日は女だ。


 一昨昨日は男だ。


 俺の名前は天道候詞(てんどうこうし)だ。


 最近目が覚めると、俺の意思は『向こうの人』体の中であったり自分の体だったりする。


 いやおかしい。俺は普通の男子高校生だったはずだ。


 なんだってこんな美人な娘と日替わりで生きなければならんのだ。


 ふう。まあいい。今日はもう眠い。寝よう。






「う~ん。」


 目を覚ます。


「は?」


 今日もやっちゃってくれたなオイ。


 俺は今、目の前のゴツイ外人さんにアサルトライフルを向けられている。


 どういうことかは大体わかる。


 また『向こうの人』がやらかしたんだな。


 え何? 『向こうの人』ってなんだだって?


 それはね、俺と日替わりで意思(なかみ)が入れ替わっている相手であろう人のことだ。


 おや?


 置き手紙が置いてある。なになに?


『ゴメンネ~(>人<) ま~たやっちゃった☆ 悪いんだけどまた処理よろしくね~♡』


 死ね。


 こんなの書く余裕があったらテメーがなんとかしろっての。


 ハァー


 まず状況の確認。


 外人……との会話、及び説得は不可能と見られる。つまいやばい。 


 場所……はわかんないなあ。コンクリの壁に俺が地べたに座ってのしかかっているのはわかるぞ。


 う~んとね、やばいね。


 とにかく普通の人だったら真っ先にやるであろう対応。


「オーヘイブラザーッ!」


「…………。」


 なんかめちゃくちゃ睨まれてるんですけれど……。


 とりあえず降参の意を表す行為として両手を上げる。


「dvdsvjnkfbhbwgygvxczxbnvcgahjlcvsfnjkvs」


 なんかわけわからんこと言ってるぞ?


 普通に英語の授業を受けてきたつもりだったが、やはり実際にやってみればそれも使い物にならんな。


 さあて、どうする?

 

 ここまで死を先延ばしにしてくれているんだ。余計なことをしなければまだ大丈夫なはず。


 チャッ


 ちょっちょっちょ! 待て待て! 撃つな! 撃つな!


 両手を上にあげたままそれをわしゃわしゃさせて、抵抗の意はない事を示す。


「bdahudhvishdivgsygvchadbhvbz!!」


 だからわかんねーよ!


 あーもう! どうすればいいんだー!


 自分の胸のポケットを探る。


 あちなみに今の俺の服装は場違いなジャージ。


 なぜか左胸付近に取り付けられたサバイバルナイフ。


 そして腰元にはグレネード三つ。


 最初見たときはモンスター○ールかと思ったよ。


 ゴソゴソ


 ん? なんだこれ?


 ポケットからでたのは白い玉。


 ん? 

 

『けむり玉だよ~♡』


 ご親切にどーも!(怒り)


 俺は迷うことなくけむり玉を地面に叩きつける。


 ボフン!


 モワモワモワ~


「オーノー!」


 この間に……


 俺はとにかくあてもなく走る。


 どこでもいいから安全な場所を!


 


 ハァハァ


「ここなら大丈夫だな……」


 ここはどこかの公園。


 あそこからどのくらい走っただろうか? わからん。


「水……」


 かなり走ったから喉がカラカラだ。


 ちょうど水飲み場がある。


 よし!


 俺は急いでそこに向かう。


「は~死ぬわもう。」


 俺は口を大きく開け、蛇口をひねる。


 キュッキュッ


 カモーンウォーター!


 ゴクゴク


「オエー!」


 なんだこれ! 


 うわっ! これ魔水じゃねえか!


 魔水。それは俺から見たら泥のような液体。しかも味まで泥。一回泥飲んだことがあるからわかる。まずい。


 あ、ちなみにここ異世界な。それに気づいたのは五日前の午後。俺が日替わり入れ替わり体質になってから二日目の時だな。


 あのとき俺はまだここは異世界だと知らずに、普通にスーパーに行ったんだ。


 俺は入った瞬間驚いたよ。


 だっていきなりう○こみたいなものが棚に並んでいるんだからさ。


 そりゃあもうびっくりさあ。


 一日目は気づかなかったよ。だって俺のいた世界と似てるんだもん。


 フー


 異世界行くだけでもすごいのにその上美人と中身が入れ替わりだぜ?


 ここまで理解できた俺の頭の出来にも驚いたが……やはりこの状況は気持ちが追いつかんな。


「アッハッハ!」


 なんか金髪アフロの餓鬼に笑われた。うぜえ


 あ、そうか。魔水が口もとについてるからか。恥ずかしい……。


 ハンカチで拭こう……ってあれ?


 なんか俺の白いハンカチが真っ赤に染まっているんだが……。


 これ……血だよね。


 なにやってたんだか『向こうの人』は。


 はあ


 俺はそのあと、普通に俺の世界のときのように過ごした。


 眠い。寝るか。


 明日は女か。


 そうだ。


 俺は小さくて白いメモ帳の一ページを切り取って、それにペンを走らせる。


『あなたの名前を教えてください。』


……なんでか知らんが名前とおぼしきものが明記されているものがない。


 それと……


『知っているだろうとは思いますが、俺の名前は天道候詞です。』



 よし。寝るか。




 明日は女


 評価感想待ってます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ