第4話:告白
私は声もでなかった。
ただ涙を流しながら…トラックの近くに血だらけで倒れている隆に近付く。
「どうして?どうして?」
そう呟きながら…。
私も怪我をしていた。
膝と両腕から血が垂れていた。
でも隆に比べればこんなものかすり傷にすぎない。
「隆…?た…かし?」
隆の側まで行って私は崩れるように膝をついた。
「泣く…な……ゃ。こっちが…苦しくなる…やん…か。」
隆は口から血を吐きながら苦しそうに言った。
「幸せ…な…女に…なるんやぞ…。きっと…また会えるから…笑って…待っといてや…。」
隆はそういってうっすらとひらいていた瞳を閉じた。
「隆…私も好きだよ…。隆がいなきゃ笑えないよ??幸せになれないよ??」
隆からの応答はない。
「聞こえないの…?隆?ずっとずっと好きだったんだよ?なんで…?」
せっかく想いが繋がったのに…隆には届かなかった。
私の初めての告白は
隆に聞こえなかった。
私は無意識にヒロを呼んでいた。
ヒロが私のように運ばれていく隆にすがりつくように話しかけている。
私は…隆を思い出す度泣いて、隆が笑って待てと言ったのを思す度作り笑いをした。
あの時の傷は私の心にあり続けるんだろう…。
背負うしかないんだね。




