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7.最終話

「レオにぃ、お弁当どうぞ!」


「いつもありがとう、ルゥ。行ってくるね」


 フェリお兄ちゃんに会った日から、何日か。今日も朝早くから狩りに出かけるレオにぃにお弁当を渡してお見送りをする。

 ――あの日、ニクスの言葉が難しくてよくわかっていなかったぼくに、レオにぃがわかりやすく教えてくれた。

 

 精霊王さまが、ぼくをレオにぃに会わせてくれたこと。

 レオにぃは、ぼくを守ってくれる人だってこと。

 ぼくも、レオにぃを守れるんだってこと。


 レオにぃがぼくを守ってくれる、なんて、もうぼくは知っていたけどね。だってずっとそうだったから。だけど、ぼくがレオにぃを守れるって聞いたときはうれしかった。

 あの日もぼくがレオにぃを助けたんだって。「ありがとう」って言われたから、「どういたしまして」って言ったの。レオにぃも、じぃじもばぁばも笑っていてたのしかった。

 だけど、ちょっとだけ真剣な顔で。「簡単に力を使ったらだめだよ」ってお約束もしたの。ぼくの力は、危なくもなるからって。

 あと、家族以外には言ったらだめなんだって。みんなと一緒にいられなくなるかもしれないから。

 ……秋になったら、魔法適性を調べにここから1番近くの村の教会に行かなきゃいけないみたいなんだけど、ちょっと怖い。たのしみだったはずなのに、もしみんなと離れ離れにされちゃったら、って思うと行きたくなくなっちゃう。


 でも、それをニクスに言ったら、「ルカが『家族と一緒にいたい』と願っている限り何の問題もない」って言ってくれたの。

 じぃじとばぁばも、「ルカなら大丈夫」って。

 レオにぃは「ルゥを連れて行かれそうになったら、2人で逃げちゃおっか」って言ってた。そうしたらニクスが「我を忘れるでない」ってレオにぃに怒ったの。それがおもしろくって、何にもこわくなくなった。


「じぃじ、いっぱい芽が出てるよ!」


「おお!?これは……ルカだな?」


 あの日『おおきくなぁーれ』をいっぱいしながら撒いた種は、いつもより早く大きくなっているみたい。でもこれは“ふかこーりょく”ってやつだよね。ぼく何も知らなかったもん。

 レオにぃよろこんでくれるかな。おいしいお野菜できるかな。そう思って、ついこっそり『おいしくなぁーれ』ってしちゃったことは、じぃじにはないしょ。何だか見られている気がするけれど、気にしない。


「収穫できるの、たのしみだねぇ」


「ふ、そうだな。この調子だと来週には収穫できてしまいそうだが」


「ばぁばに、お野菜たっぷりのスープ作ってもらおうねぇ。ぼくも作り方教えてもらいたいなぁ」


 それで、寒くなったら朝ごはんに温かいスープを作ってレオにぃに食べて行ってもらうんだ。ぽかぽかして、寒くないように。


「たのしみだねぇ」


 たのしみがいっぱいだ。まだよくわからないこともあるけれど、レオにぃがいれば大丈夫。

 ニクスもいてくれる。じぃじとばぁばも。

 

「ルゥ、ただいま」


「!レオにぃ、おかえりなさいっ」


 だいすきなレオにぃに拾ってもらった日から。レオにぃが「ルカ」っていう名前をくれた日から。ぼくは、しあわせなんだ。


「レオにぃ、ずっと一緒だよね?」


「うん、ずっと一緒だよ」


 ――これからも、ずっと。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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