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序章 世界の誕生
世界伊始
(世界の始まり)
万物未生
(万物未だ生まれず)
无处寻光
(光を求める場所もなく)
黑暗长存
(暗黒が永劫に続いた)。
しかしある時、物語の主人公たちが住む星「アイシウィア」は、天の彼方から競い合うように飛来した二つの巨星によって照らされ、それらは生と死をもたらした。
そのうち一つの巨星は全身が深い青色で、それが空に現れると、大地は春めき、万物が芽吹き、世界はその光に照らされた。
もう一つの巨星は、外見が血のように鮮やかな赤で、それが空に掛かると、温もりは消え、生気は失せ、それをじっと見つめていると、生命力が徐々に奪われていくように感じられた。
二つの巨星は絡み合い、回転を繰り返し、大地に万物の霊長を生み出した。霊長たちは生と死を交換しながら、時の流れとともに、様々な偶然が運命の天意を構成し、生と死の天秤は静かに傾き始めた……