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第八章 真の専門家
SNS炎上ウォッチャーとして有名なブロガー、ヤマダ(年齢不詳)は、一連の騒動を冷静に観察していた。
彼は毎日、炎上案件をまとめたブログ記事を投稿していたが、その文体は機会のように淡々としており、感情的な判断を一切排除していた。
ある日の記事
本日の炎上:7件
エコバッグ企業炎上(沈静化)
環境活動家偽善暴露炎上(継続中)
炎上対策専門家の新理論炎上(拡大中)
学会内論争炎上(新規)
炎上ウォッチャー批判炎上(自己言及)
炎上批判の炎上批判(哲学的領域)
所感:もはや何が炎上で何が鎮火なのか不明。炎上の定義から見直す必要がある。
ヤマダの記事は、炎上に疲れた人々の心のオアシスになっていた。
感情的にならず、ただ事実を淡々と記録する姿勢が評価されたのだ。
しかし、ある日、ヤマダにも批判が向けられた。
『炎上を娯楽として消費している』
『人の不幸を商売にしている』
『#炎上ビジネス批判』
ヤマダは、いつものように淡々とブログに書いた。
「本日、当ブログが炎上しました。メタ的に面白い展開です」