表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正義の感染症  作者: ふん
2/13

第二章  炎上対策コンサルタント

 その日の夕方、【炎上対策コンサルタント】の田村マリコ(35)に電話がかかってきた。

 彼女はこの業界では有名人で、過去に数々の炎上を鎮火させてきた実績を持つ。

「また環境系ですか」マリコは溜息をついた。「最近多いんですよね、エコ炎上系が……」

 翌朝。マリコは佐藤の会社を訪問した。会議室には役員たちが揃い、全員が疲れ切った表情をしていた。

「現状を報告します」マリコはホワイトボードに向かった。「炎上開始から24時間で、関連ポスト数は45000件。ハッシュタグ『#偽善企業』がトレンド入り。動画サイトにも告発動画が12本アップされ、最も再生数の多いものは既に30万回再生」

「で、どうすれば?」社長が震え声で尋ねた。

「まず、謝罪文を出します。そして、環境団体に寄付をして、社員全員に環境教育を受けさせ、今後はペットボトルの使用を全面禁止にします」

「それで終わりますか?」

「いえ」マリコは首を横に振った。「それで新たな炎上が始まります」

「は?」

「謝罪が軽すぎるという炎上、寄付先の団体が過去に問題を起こしていたという炎上、環境教育講師の選定で炎上、ペットボトル禁止が差別に値するという炎上。そうですね……。大体7段階くらいの炎上を経て、3ヶ月後に沈静化する予定です」

 役員達は先の長い話に絶句した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ