警告音……。
ザオリン連合本部より伝達──直ちに敵落下地点へ召集
(なんのコトだ──?)
耳もとに流れる伝令音
イヤホンなど付けていないのに──
教室では避難訓練同様
突然に燃える赤い空に動揺
地鳴りと窓ガラスの突風に動揺……
教室のテレビが突然の非常事態を告げて明滅する
ままならない。
(只今、N県S市沖で隕石のようなものが落下。津波の恐れがあります──直ちに緊急避難してください)
騒ぐ教室を後に、何故か私の鼓動が躍動する
「連れてけよ? 仲間だろ──?」
いつも、冴えないボンクラなヘタレ帰宅部男子。
よく知らない。
センター分けの黒髪は、いつもながらか。
けど、目を赤く光らせ別人のように笑う──
(何者か──?)
理由など、知らない。
私が、ここにいる理由さえも。
ただ、普通の家庭に生まれて愛されたと想う
コイツもそうなのか──?
ザオリン連合本部とか、嘘みたいな話
聴き間違えか、幻聴か?
とにかく、早く行けと頭の中で誰かが言う
私じゃない誰か。
「覚醒したよ? 今、分かった。俺がヒューマノイドなら、お前は、プロトタイプ。いわゆる機械人形って、ヤツさ。悪りぃ。ショックだったか? けど、そんな俺もお前らも変わらないよ? 一緒さ……」
何を言うのか。馬鹿なのか? コイツは?
しかし、目の前の現状は非常事態だ。
急加速する演算。
そんな能力無いはずなのに、知られざる事実が幽かに瞼の裏側で再生される。
「飛べるのか──?」
黒髪センター分けの赤目なソイツが言う。
ヘタレ男子には、言われたくない。
飛べるも何も、私は、私だ──
それに、お前は、ショタだし、童貞だろ?
違うのか──