30、リアル
「ここかい?」
「うん。」
「それじゃあお邪魔するよ。」
「うん」
「体は大丈夫?」
「うん」
「痛かったりしないかい?」
「平気、レイ…さんは……どうして…来てたの?」
「あー、昨日の情報から考えると今日復讐で海夏ちゃんのいじめが悪化する可能性が高いと思ったのと、海夏ちゃんの中学校の場所が僕の予想と合ってるかを調べるためかな。高校は、必要な成績とか出席日数は足りてるからね。」
「ありが……とう」
「気にしなくていいよー。1個気になるんだけど、海夏ちゃんはどうして今日学校行ったの?」
「彼らが…前に…学校休んだら……こっちの家………に来るって言われた…事があったから……レイさん………と一緒に暮らすまでは……学校に行ってた方……が安全だと…思ってたから。」
「なら今日はもう休んじゃう?」
「ううん、三田さんに…会いたい。」
「君をこないだ助けようとしてくれた人かい?」
「うん。後でって、約束した、から。」
「なら、午後から行こうか。傷とか手当してしまおう。」
「うん。」
△△△△△△
藤原さんは大丈夫でしょうか。あのあとから全く見当たらないのですけど。流石に朝から集団でよってたかっていじめるとは思えませんが、そのぐらいしか彼女が教室に現れない理由が想像できません。何故かは知らないですが、保健室登校ということはしていないようですし朝一緒に投稿しましたから。っと考え事をしすぎましたね。もうじきチャイムが鳴りそうです。そう言えば、あの男子たちも見かけませんね。もしも私の予想があっていたら、不味いかもしれません。何か彼らから言質を取っておきたいですわね。
「さっみー。最悪だな。」
「それな。あいつを助けるような物好きがいると思わなかったし、そいつがあんな強いとも思わなかったぜ。」
あぁ、予想が当たっていたのですね。ただ良かったです。私では助けきることは出来なかったでしょうが、誰か別の方に助けて頂けたようです。ですがどうして彼らは濡れている人が居るのでしょうか?まるでプールに落ちたみたいな濡れ方です。藤原さんもびしょ濡れになっているかもしれません。
「ねぇねぇ。思ったんだけどさ?彼女自身を壊すの一旦辞めてさ彼女の心の支えになってる人から壊さない?」
あぁ、なるほど。なぜ藤原さんが自身の心を隠したか分かりました。見せた心の支えや希望を叩き潰され続けたからなのでしょうね。
「あ、ならいいやつ知ってるぜ俺。」
「マジで?誰だ?」
「後で言うぜ。ここのクラスの奴だからな。」
これは、多分私でしょうね。ですが、彼等はどのようにして来るのでしょうか。
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「先生、遅れてしまって申し訳ございません。諸事情により遅れました。」
「気にしなくていいわよ。ただ何があったのかしら?朝一度登校していたと聞いたのだけど。」
「それは僕が代わりに説明しても宜しいでしょうか?」
「………えっとあなたはここに入れるってことはここの卒業生よね?どうしてここに?」
「彼女と繋がりがあり、会話の最中でもしや僕の母校と同じではないかとおもい、余裕があったので来たのです。」
「そうだったんですね。それじゃあ説明してもらっても良いかしら?」
「ええ、僕が見たところからになりますが彼女はプールサイドで男子生徒に囲まれ殴られていました。また、彼女はなにか薬を飲まされたらしくそれにより体に力が入らなくなっていました。あまりにも酷く、僕が止めても続けていたためその男子生徒たちをプールに落としました。その後は、一度彼女の家まで行っておりました。」
「………すみません、少々放課後二人とも時間はありますか?一度他の先生方にもそういったことを見たことがないか聞いたりしたいのですが。」
「証拠がほしいという話ですか?であれば放課後万一証拠を求められてもいいようにビデオを撮っていたのと、防水仕様の録音機の電源を入れておいたので、その映像を流しましょうか?」
「助かります。藤原さんと二人で別室で居てもらってもいいかしら?」
「僕は大丈夫です。海夏ちゃん、大丈夫?」
「うん。」
「じゃあ、6時間目終わるまで申し訳ないけど待ってて頂戴。」
「はい、分かりました。」
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良かった。藤原さんは大丈夫そうですね。ですがやはり彼らに襲われていたのですね。体も動くたびに痛んでいるのか若干ぎこちない動きですし。
「ッチ、不味いな。」
「だね。仕方ないか、今日が最後になりそうだけど、彼女にとって最悪の置土産をしてあげるしかないかな。ここまでしっかり証拠があると言い逃れとか出来ないだろうしね。」
「どうする?」
「クク、良いだろう。ならばこうしよう。肉体的に消えぬ傷を残し心に深い傷を残してくれよう。」
「放課後で良いな?」
「ああ、ただ問題が相手が俺らと同等ってことか。」
「別にいいだろう?家の名が下がろうとも関係ないのだから。」
参りましたね、逃げることは出来なさそうです。あまり遅いと家の者が様子を見に来てくれるとはいえ、30分ほどは動かないでしょうしその時間で彼らに何をされるかも分かりませんね。目標は藤原さんの心に傷を入れることのようですから、私に傷が付いた時点で負けになるのですよね。彼女は優しいですから、彼女自身がしたわけでもなければするように仕向けたわけでもないのに、申し訳なく思ってしまうでしょう。
さて、簡単なのは調子が悪いとして帰ることなんですよね。次点で保健室で休むこと。ただこれらは情報が状況証拠だけでするにはしんどいのですよね。
「三田、逃げんなよ?」
「なんのお話でしょうか?」
「知ってんだろ?こないだお前あそこに来たんだからよ。」
「あそことはどこでしょうか?もう少し詳しく話してください。」
「放課後までに帰ったりすんなよ?ここにいてりゃてめぇの家族に危害は加えないでやるからよ。」
「……わかりましたわ。放課後まで学校には居ますわ。」
「ケケ、それでいい。」
はぁ、この人達はなぜそういった頭の良さを人の役に建てれないのかしら。本当にふざけていますわね。こんなことが常にあれば自分を消すようにもなりますし無理して体が痛もうと怖くとも学校に来ますわよね。
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「あ、レイさんの本名って聞いてもいい?」
「いいよ。僕の名前は遠藤零」
「あ、下の名前をそのままで使ってるんだ。」
「そうだよ。にしてもどうしようかな。彼らのクズさは手に負えないな。」
「どういうことですか?」
「多分このまま放課後迎えたらその三田さんだっけ?は彼らに襲われるよ。でもそれは海夏ちゃんのことを考えるとどうにかして止めなきゃなんないけど手段がないんだよ。」
「え、?三田さんが、僕のせいで、襲われる?」
「君のせいじゃないけど襲われるだろうね。誰のせいって言うなら僕か彼らだけど、海夏ちゃんにはどちらでも変わんないだろうからなぁ。」
「彼らをどうにかして動けないようにしなきゃ。」
「落ち着いて。今考えてるやり方は悪手だよ。彼らに傷をつけたり拘束したりすると曲解して伝わる確率が上がるからね。」
「なら、それ以外の方法はあるの?」
「んーこれが難しいけど全く無いわけではない。1つ質問。三田さんは優秀で入った一般人?それとも後ろに権力も資金もあるために入った?」
「多分後者」
「よし、なら出来るね。
今からすることは先生がここに3人以上来たら、海夏ちゃんがやられた場所に連れて行って。どういったことをどこでされたか見てもらいたいからっていう理由付けして。」
「わかった。彼らが場所を変えてなければそこに三田さんが居て、先生達は各自の都合的に放置できないってこと?」
「そうそう。なんせ自分等の給料とか職に関わってくるからね。ただ、万一彼らが場所変えてたら僕が一度離席して探してくるからその間そこでされたことを解説してほしい。」
「!?、分かった。」
「大丈夫。君は落ち着いてその時にされた感情とか思い出して思うままに言えばいいだけだよ」
「うん。」




