食人種? その、1
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釣りを終えて帰ろうとしていた私は、川から流れてきた女の子を見つけた。いったん子供を家に連れてきて様子を見た。 あちこちに切り裂かれ、かさぶたができた傷口に、ところどころあざが入っているのも見える。
『 whakaora 』
(治癒)
蝶の形状をした緑色と、白色の光が子どもの体のあちこちに巣くう。
白い蝶々が徐々に紫色の蝶に変わっていく。 それとは裏腹に、緑色のチョウたちは傷のついたところに傷口の中に入り込んで、子供の肉となってくれた。
子供の顔にも少しずつ生気が戻り始める。
『傷による毒と毒草による毒… しかも骨折に、切り傷や殴打の痕跡まで。 あらゆる種類の傷があるね... もう少し遅れたら、いや、今まで生きているのが奇跡だよ。』
いったい何がこの小さな生命を死の入り口まで追い込んだのだろうか...
『モンスターの襲撃か…? それとも人間たちの戦争のいけにえなのか。』
しばらく考えている間、傷はすべて癒え、独島は全部抜け出した。 これまでの疲れが一気に溜まったせいか、子供は誰が背負って行っても分からないほど深い熟睡をしている。 治療は完璧に終わったので子どもに布団をかけてあげて、外に出て焚き火をする。
釣った魚を手入れして木の枝に通して火で焼く。
ついでに、子どもが目を覚ましたら食べられるように魚のスープも沸かしておく。
しばらくして、こんがり焼き魚3、4匹をその場で平らげた。
少し足りない気もするけど、しょうがないね。
明日も食べなければならないから...
「ちぇっ、あのトカゲめ…」
残った魚を乾燥させるために家の屋根にかけておき、ここにはありもしないニーナへの不満を吐露した。
魚を干しておいて、じっとしていると、退屈になって火の前に座って星を観察した。
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いつの間にか眠っていたのか、私は地面に横たわったまま、目がつぶれていた。 閉じた目を覚ますと、まぶしい日差しが私の眼球を真っ向から浴びせる。
「キエエエエエエ!!!!!!」
燃え上がる雪をつかんで転がっている私のそばを、子供が用心深い足取りで通っていた。
「こら、もう大丈夫なの」
自然に閉じようとする目から滝が流れ落ちる。 目玉が焼けていく苦痛を必死に堪えながら、まるで何事もなかったかのように、すばやく立ち上がって子供の安否を問う。
「....!!!」
私の言葉を聞いた子供は地面にうつぶせになり、涙まで流しながらしきりに感謝する意思を伝えた。
いや、そこまで感謝するとちょっと照れくさいけど。。 へへ…
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暖かい朝の日差しに少女はゆっくり体を起こす。
完全に体を起こした少女は、依然として目を閉じたまま手をあてて閉じた目をこする。
「ふあああああ~」
しゃがんだ体を伸ばし伸びをすると同時に、だらりとあくびをしながら閉じていた目を開けると、木の柱の間から日が差し込むのが見えた。
「...?!」
少女が何かおかしいことに気付くのにそれほど長い時間は必要ではなかった。 少女はゆっくり、今までのことを思い出そうとした。
思い出すことはほとんどなかったが、雨が降ったある日、壊れた馬車とその前に立っていた巨大な怪物を見て、逃げだして山の中をさまようようになり、川に落ちたというくらいの記憶を思い浮かべることができた。
少女は起き上がり、木製ビルを抜け出した。
「キエエエエエエ!!!!!!」
どこかから突然聞こえてきた悲鳴に少女は心臓がひやりとする。
音の根源地はすぐに見つけることができた。
自分の横である巨体の男が目をとらえてあちこちに寝転がっていた.
断片的にでも浮かび上がった、自分の記憶の中の怪物と似た外見だった。
『何かよくわからないけど、今がチャンスだよ!』
まれに雑草が生えている床で土ぼこりを起こすほど男が熱心に転がっている隙を狙い、少女は慎重に足を運ぶ。
「Ya , Kei te pai koe inãianei ?」
突然聞こえてきた声
男が目の前にある
少女は横を向いて横を見た。
地面に転がっていた男が跡形もなく消えていた。
少女は再び前を眺める。
そして彼は、今自分の目の前にいる。
日光で視界が遮られたためか、それとも少女の頭が状況に追いつけず戸惑ったためか、少女は前がまともに見えなかった。
山奥にある木と干し草で作った家と聞きとれない言語、それに加えて原始的な服装で自分を見ながらよだれを垂らしている記憶の中の巨大な怪物…
これらが意味する事実は明々白々。
「し…食人モンスター…?!」
目の前に立っている巨大な人食いモンスターに、無力で子供がとれる行動はただ一つ。
たった一人のその行動を、少女が直接考えて行動に移したのではなかった。
ただ少女の本能が叫ぶことによって、あっという間に自分の両ひざとひじを地面にあてて、うつむいた。
恐怖に襲われたせいか、それとも最初から話すのは幼すぎたためか、少女は声の出にくい声を無理やり絞り出し、必死に口と舌を動かそうと努力した。
「生かしてください... 私は身もなくて、まずいです。」
恐怖に怯え、ろくに声も出ない声を、少女は無理やり絞り出す。 彼女の顔が涙と鼻水まみれになるまで,彼女の手が足になるまで祈った.
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彼女の名前は、
『ニーナ』
世界中のあらゆるドラゴンの頂点であり、ドラゴンの神ともいえる存在。
『ドラゴンロード』
世界のあらゆる大陸を通してたった二匹だけの神聖な存在。その一角が居場所としている巨大な石山、
『竜の巣』
数多くのドラゴンとワイバーン、危険なモンスターで沸き立つこの山で、彼女は生きている。
寿命に制約がなく長い歳月を生きてきた彼女の、唯一の生き方の目的。
『面白さ』
そのために、普段は石山周辺を徘徊しながらドラゴンたちに教えられたり、変身魔法で種族を変え、人間族やアイン族の村に忍び込んで遊んだりもするが、たまに-平均週7回以上-山脈の奥にそびえたつ神殿遺跡にあるポータルを通じてレックスの家に遊びに行くのが、彼女に一番の楽しみを与えてくれた。
今日も普段と変わらず出勤の印を押すため、ポータルを通じてレックスの家に入る。
ポータルから抜け出すと、くすんだ灰色の岩の代わりに青い木と草の葉が彼女を迎えてくれる。
空高く舞い上がり、吹いてくるこの上ない爽やかな風の感触を味わう。
石の粉やモンスターの血なまぐさいにおいが混じって吹いてくる石山の不快な風などとは比べ物にならなかった。
大きな川に沿ってしばらく登っていくと、目に入る小さな木材の建物。 それがレックスの家だ。
近くの森に舞い降り、その姿を人間に変えた。
そっと歩いてレックスを驚かせようとした彼女の目に、ある子供が入った。
「あれはまた何だ?」
「ああ、びっくりした! 見たら分からないのか。 人間じゃない。人間アイ。」
「いやいや、私が聞きたいのはそうじゃなくて、あの人間の子供がどうしてお前を見て泣きながらお辞儀をするのかについてなんだけど…」。"
しきりに涙を流しながら手が足になるように祈っている子と頭だけ掻いているレックス。
これらが意味するところが、見なくても見当はつく。
「あの子、私が自分を助けてあげたことを知って感謝してるでも、あそこまでするのはちょっと照れくさいけど…」
「あれ、本当にバカじゃない? どう見ても怖がっているようにしか見えないのに...」
まだ頭を掻いてぶらぶらしている馬鹿を倒し,ニーナはうつぶせの子供に近づいた.
「あの、ちびっこ。 こんなところで何してるんだ?」
優しい声で聞いてみるニーナ。
「人食い…もん…私は…まずいです… どうか...助けてください...」
そもそも、うまく話せる年齢でもないのに、クックックッとし、よく出もしない声で一生懸命詠んだその言葉はかなり衝撃的だった。
温かい微笑を浮かべて、子供を癒そうとしていたニーナの顔は、その表情のまま固まってしまった。
「人食いモンスターか…? レックス,どうしたの. 説明をしてほしいんだけど。」
彼女の口元にまん延した笑顔、それとは反対に、全然笑っていない冷ややかな目つき…。 こぶしをたたきながらどんどん近づいてくるニーナ。
それと向き合ったレックスは背筋がずきずき痛むばかりか、凍りつくような気がした。
あのバカなレックスに祝福を与えるニーナ。
子供は相変わらず怖じけたまま地面ばかり眺めていた。 レックスに用事を終えたニーナは子供に近づき,手を伸ばした.
「ひぃっ…!」
自分の手が触れるやびくびくする子供を、彼女はやさしく抱き上げた。
「悪いモンスターは私が怒ってあげたから、大丈夫。 もう安心してもいいって...」
暖かい声でニーナは子供を慰めた. しばらくして、落ち着いたのか、子供はニーナの胸に抱かれたまま、再び眠りについていた。