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山中の隠遁者

ある山の中、青緑と灰色の岩に覆われた谷間に置かれ、長い間使われず、大小の石ころといろいろな雑草がもつれて伸びる土道をゆったりと歩いてくる男がいた。

干し草を使った草スカートとそれを固定した紐には様々な武器が付けられている。

がっちりした筋肉で健康な体の上に刻まれたタトゥーと干し草にして肩にかけた上着まで。

道を歩いていて、偶然出くわしたら、どこかの原始部族だと思われるほどの服装と、異国的でありながら親しみやすい、奇妙な容姿の男。

腰に縛られたひもにぶら下がっていた武器一つを取り出し、端につけたひもを手に入れて固定させた後、取っ手を握った。

自分を睨むワイバーンに目を見張ることで応酬した。


「クアアアアアア!!!!!」"


天地を揺るがす爆音に木が揺れ、森のあらゆる生物がその場を逃れ始めた。

10メートルは優しそうな巨大な生物に立ち向かっているにもかかわらず、彼に恐ろしい様子は全く見せなかった。

男は「どすっ」という声とともに地面を蹴って飛び上がり,ワイバーンの頭頂部をたたきつけた.


____________



私の名前はレックス。

身なりも不格好で、誰一人訪ねてこない奥地に住むごく平凡なやつだ。

一人暮らしをしてもかわいそうに眺めるな。

食べ物、飲み物はもちろん、暖かい寝床までちゃんとあるから。

取れたてのワイバーンならかなり長い間、少なくとも1、2ヶ月は長く食べられるだろう。


「ところで私は今誰と話してるの?"


やっぱり…一人しかいないから…"


「こうでもしないと、たぶん今すぐにでも狂ってぴょんぴょん跳ねるだろう…」。"


とくだらないことをしゃべり、つかまえたワイバーンを引きずって家に持ち帰っていた。



「誰が一人だって?」



森が消え去って大きく響く音..


「この音はきっと…」


首を回して空を眺めると、蛇のように長い体と、そこについている四つの足、光のようにまぶしい鱗を持った生き物が見える。

風にゆれる木々の間から、その巨大な頭を突っ込んで地面へ降りてくる姿に、自然と目が閉じる。

目を覚ますと、彼はいつの間にか人間の姿に変わっていた。


彼女の名前はニーナ。

顔もきれいで、体つきも素晴らしい女性だ。

そうしてみたって角の生えた蛇だけだが..


「なんだ、せっかく迎えに来たのに、どうして反応がないんだ?"


「お出迎えも何様で、お前がどうしてここにいるんだ。"


「私の家に私がいるのがどうしたって言うの?!"


「ここは私の家なの。"


「私の家の中にお前の家があるんでしょ?じゃ、ここも私の家じゃないの?"


こんなにきゃあきゃあ叫ぶのを見ていると、こいつのずうずうしい態度に呆れ返るほどだ。


「ところで、お前の後ろにあるあれ、ワイバーンだよね?"


「あ、でも…"


その言葉を一瞬、余計なことを言ったという気がした。

この野郎、今後ろにワイバーンを見てよだれを垂らしてる… しかも目まで輝きながら…!

だめ、このままでは私の2ヶ月分の食糧が今晩一食で消えるよ。


うん…ワイ今回じゃないんだけど?"


「とぼけるな、さっきワイ今回合ってるって言ったの全部聞いたよ。 これは誰かを騙そうとして…?"


"...私がそんなことを言ったっけ? よく覚えてないんだけど~?"


さあ, 僕は何も知らない。 後ろにいるのはただ羽のついたトカゲだから、だからどうかそのまま帰ってくれ。


笑わせているね。 じゃあ、お前の後ろにいるのは何? 何羽のついたトカゲって言うの? そんな見え透いた嘘に私が騙されると思う?"


そう。。こんな見え透いた嘘に騙されてほしかった私がバカだよ。。


「もうあきらめろ」 ワイバーンだよ、いつでも捕まえられるだろ?"


私の顔に自分の顔を突っ込みながら言った。

彼女の細い指が私の体に触れるような感じがした。

甘い香りが私の鼻先をむずむずしながら近づいてきた.


「やめろ」


え?この…うっ…"


何かを言おうとしたニーナの顔に手を伸ばし、彼女を押し出した。 これ以上ニーナのいたずらに付き合ってあげたら,私の忍耐は尽きそうだった.

私の手の平から離れたいのか,ニーナはしきりに腕を振り回した. からかうのはいい加減にしてから解放してあげようか?


「プハ、本当にずるい。 私がこんなにまでするのに..."


「そう、そこまでして私の夕食を奪おうとする理由は何? お前は食べなくても生きられるじゃないか。"


「それは当然おいしいからだよ。 食べ物を食べる理由が生きるためだけではないじゃないか。"


彼女は私を熱心に説得しようとした. 人の大切な食糧を奪おうとする言い訳がせいぜいそれだなんて...

悪いけど、私は平凡な人だから、食べなければ生きられない。


「うぅ…ずるい!」


「ずるいことは他人の飯を奪おうとするお前の方がずるい!"


「出て行け」


いちゃめちゃな雰囲気は影を潜め,ひんやりした雰囲気と影を落とした彼女の顔だけが残った.


「え?」


「出て行け」


出て行けとは, この山中に他に出るところがどこにあるというのか.


「ここの『竜の巣』は私の家でしょ。 家賃も払わずに居候しているくせに… そのまま出て行って」


いや、いくらなんでもこんな奥地の中の奥地でそんな脅迫なんて… しかもここは私がずっと先に定着していたところなのに... しかし、こいつの強引な主張をいつまでも聞いてくれるほど、私は忍耐強い方ではない。

このままではきっとけんかが起こるだろうから、悔しいけどここでは私が一歩退くようにしよう。

やむを得ず、私は流れる涙をぐっと飲み込み、彼女を夕食に招待した。


さようなら、私の2ヶ月分の食糧よ...


「心配しないで、お酒は私のものを持ってくるから!」。"


まさかこれを慰めて言ったことか。

内側から引きずり出す一発殴りたいという気持ちを、私は辛うじて我慢しながら、私たちは林道を歩いていった。

一生経験する忍耐の限界を、ここで一度に経験してしまったような気持ちだ。


__________



木々の生い茂った森の中、清らかな水の流れる大きな川のある私の家。

ニーナは当たり前のようにドアを開けて入った.


図々しさにも程がある…'


家に入る彼女を見ながら、私は急いでワイバーン解体作業を始める。


じゃ、じゃ…


短い石刀を取り出して風の魔法をかける。

うろこを全てとり、腹を割って肉を手入れする。

解体作業が終わり、すぐに料理を始める。


さようなら..私の2ヶ月分の食糧よ...


塩味のきいた液体が私の頬をつたって口の中に入ってきた.

目元に指をあて、軽く撫で下ろしながら涙をぬぐう。

その間、ワイバーン焼きが完成した。


魔法の火で焼き、外側はパリッとして、中はしっとりとしたあいつの美しい姿に、香ばしい肉の匂いに、私は感嘆を禁じ得なかった。

私が我を忘れたままワイバーン丸焼きを見ていたあの時。


おいしそう…"


ニーナの声が聞こえてきた.

こいつ、よだれを滝のように垂らしているんだ…。


いつの間にか日はいつの間にか山を越え、私たちは丸太椅子に座って焚き火をした。

様々な意味で、おのずと涙が流れるワイバーン肉を噛みちぎって味わい、蜂蜜酒を楽しむ。


そう、それくらいの狩りは明日もう一度やればいいんだよ!

今はただ楽しんでるだけだよ!!


お腹もある程度冷たくて、そろそろ酔いが上がると、その巨大なワイバーン橋を口の中に突っ込んでいるニーナが目に入った。


てか、お前さ、体格はそんなに小さいのに、どうしてそんなにたくさん食べられるの?


「何だよ、お前、今俺を無視してるのか?俺ドラゴニだ…その気になればここに生きた罪~全部飛ばせるんだ…」


「あらら、怖いわよ、俺の家は吹っ飛ばすな」


意識の流れに身を任せた対話法だ。 ニーナが大きなワイバーン橋を一口に押し込んだり,私が瓶ごと酒をいっぺんに飲んだりした. 私たちだけで通じる秘密の言葉を交わしたりと、あれこれ雑談の中で、私たちの夜は更けていく。


____________



閉じた目を開けて首を左右に向ける. 壁のすき間からまばゆい日の光が差し込む. ぼくの二か月分の食糧を食べ尽くした敵が、裸でぼくの腕を抱きしめて寝ている。


「おい、起きて…」。"


「うむ、、もう朝なの、、?」


「そうだ、早く起きて何でもつかめよ…」。 お前のせいで私を飢え死にしちゃったじゃん。


「ちぇっ、やっと夕食一食なのに、すごく文句言うね…」。"


やっと…夕食一食?'


やっぱり、一発殴ってあげないといけないのかな?

くだらないことを悩んでいる間に,ニーナはいつの間にか空の上を飛んでいった. せめてナムルでも割ってくれたらありがたいんだけど…


寂しいね。"


いくら面倒くさくて敵同士でも、いないよりは、やはりいた方がいい。 二日酔いにうんざりする頭を抱えて家を出る.


釣りでもしよう..."


底をついた食糧を再度満たすために川に下りてカヌーを準備する。 適当なところで立ち止まって水筒に水を入れて飲む。 残ったのは釣り糸を下ろして待つだけ...


何時間もカヌーの上に座っていると、うずく。


「ふああー」


何時しか日が暮れて、夕焼けになる。

かごにいっぱいになるほどたくさん釣れなかったが、それでも今夜は無事解決できるほどの量だ。


暗くなる前に帰ろう..."


山での夜は、平地より早くやってくる。

釣り糸を回収して櫓を漕ごうとしたその時、得体の知れない何かが川に浮かんでくる。


「あれは何だ…」。?"


好奇心に引き揚げたそれは、久しぶりに見る人間だった。

しかもその人間は、幼い女の子だった。

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