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プロローグ
これは、フィリアル王国のとあるひとりのお姫様のお話。
「....今日はどんな夢を視ようかしら。」
銀色のように輝き、ふわふわと波打つ黒髪、深い海のような青色の瞳。歳は16。酷く達観した目をしていた。
名前は、ジェリアナ・ウルビナード
ウルビナード国の第三王女であリ、転生者でもある。
今日も部屋でぼんやりとしている。自分にはそれしか出来ないのだから。
「姫様、国王陛下がご到着なされます。」
メイドから、声が掛かる。
「..分かったわ。」
いつものように返事を返す。すると、数人のメイド達が集まり手際よく準備を始める。あっという間に準備が整った。
「陛下がご到着なされました。」
先程のメイドの淡々とした声が響く。緊張はしない。いつもの事だから。
「それでは、本日も視させていただきます。」