皇帝と息子
自粛ムードの中少しでも退屈が紛れると幸いです。
今日は全く驚かされることばかりだ。
シシリー嬢の光精霊との契約も素晴らしいものだが
アメリア嬢のまさかの精霊王との契約ときた…
精霊王が人と契約をしたなんて今までなかったことだ…
いったいアメリア嬢は…
はぁ平然を装うのがどれだけ大変だったことか…
しかもカルロスもソフィアも酷いじゃないか!
あんな可愛い娘を今まで隠してきたなんて!
あの帰り際の顔!
(どうだ参ったか!可愛いだろ!)
心の声が聞こえたわい!!
もうこれ以上の驚きはないだろう…
さぁ仕事も終わったな
では俺の最愛の息子の所に行くとするか。
あの子もほんとうは今日精霊と契約するはずだったのに…
可哀想に…俺があの呪いをすべて引き受けることが出来たらどれだけいいことか…
コンコン
「俺だ。入るぞ。」
そこには窓を開け夜風にあたる息子の姿があった。
「!?起き上がれるようになったのか!?」
「はい。父様…私の呪いは無くなってしまいました。」
「よかった…本当によかった…そうだ!目は!見えるのか?俺の顔が見えるか?」
「はい。もう全て見えます…今日は精霊と契約するために帝国中の貴族の3歳の子供が集まったんですよね…?」
「あぁそうだが…あ!ライアン、お前の体調がもう大丈夫ならすぐにでも用意させるぞ!」
「いえ。大丈夫です。窓場で今日の少女と合わせてくれた運命に感謝をしていたら…ほら。」
皇太子ライアンの肩に透明だか光るものがあらわれ、小さい人型になった。
「これは…時の精霊?」
「はい。そうです。」
「時の精霊もすごいが、今日の少女とは?呪いが解けたのと関係があるのか?」
「名は分かりませんでしたが精霊と契約をしに来たと言っていました。俺の呪いを解いたのも彼女です。」
「そうか…本当によかった…今まで何もしてやれなくてすまない。その少女を探してぜひともお礼がしたいのだか、なぜその少女はお前の呪いが解けたのだ?今まで誰もとくことが出来たかったのに…」
「それは俺も不思議に思っていました。」
(もしかしたらシシリー嬢かアメリア嬢かもしれない…)
光精霊や精霊王と契約できるほどの魔力を持つならば可能かも…いや決めつけるのはまだ早い…
そう思っていると
「父様、お願いがあります。俺が今まで出来なかった教育すべて明日からやりたいのです。」
「それはなぜだ…?まだむりをしなけても大丈夫だろうに。」
「俺にかかる呪いを解いてくれた彼女に相応しくなりたいのです。」
息子の決意は目を見てわかった。
「そうか…では明日から教育係をつけようとしよう。まずはすぐに取り掛れるマナーなどからだな。剣術や魔術はまた優れたものを探すとしよう。」
「ありがとうございます。」
俺に礼をいう息子の顔は久しぶりに見るような
心からの笑みだった…
ありがとう名も知らぬ令嬢よ…
息子をまた笑わせてくれて…
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