前世2
読んでくださりありがとうございます!!!
母は亡くなる前に、10年以上前に飛び出した実家に連絡を入れた。
娘を幸せにしてください。と言う言葉と共に
駆けつけた祖父母が見たのは首を釣って無くなっている自分の娘と、その足元にすがり泣き叫んでいる私だった。
家はまるでゴミ屋敷、泣き叫ぶ自分の孫は枯れ木よりも酷い有様だった。
祖父母は全てをさとり、警察を呼び私を家へと連れて帰った。
それからのことはよく知らない。
祖父母は私を心の底から愛してくれた。そして、誠心誠意の謝罪をしてくれた。
今まで見つけてあげられなくて本当にすまない、と
その日から私は少しづつ変わっていった。
美味しいという感情を知り、嬉しいという感情を知った。
祖父母は私を目に入れても痛くないというほど可愛がってくれた。私の事を第1に考え、行動してくれた。
私は愛されたいという思いを祖父母に向けた。
掃除や料理をしたら大袈裟なほど褒められ、
テストで満点をとり高校首席になっても大袈裟なほど褒められた。
そして私が高校2年の頃、私の研究が受賞された。
祖父が細菌などに関する研究員でよく私に色々と教えてくれた。
私自身も興味があり高校入学と同時に祖父の研究施設で自分なりの研究をしてみた。
初めこそ他の研究員は私を奇異な目でみたが、私の研究がもはや素人がする研究内容を超えていると気づいた時からは見守るような眼差しに変わっていった。
完成した研究結果を祖父や研究員に見せたら目の色を変え、2週間ほど研究室にこもってしまった。
その後これを世の中に出さないかと問われ、頷いたら
私の研究の論文を読んだ世界各国の優秀な研究員が次々と各自のSNSに素晴らしい日本の研究員を褒めたたえた。
そして私は受賞し、世界的に有名な人となった。しかし、平和な暮らしを望んだ私の祖父母は私の許可をとったうえで一切のメディアの取材を拒んだ。それから私は世界の研究員達と共に意見をかわしたりするようになった。
祖父はよく言う。「さすがわしの孫だ。」と
そんな祖父にも悩みがあるようだ。
「ばあさんや、あの子は自分の凄さに気づいておらん。あの子と話したくて仕方がない世界の優秀な研究員をただの外国のわしの友達だと思っておる。」
「いいじゃないですか。私はあの子が幸せだったらそれでいいんです。あの子は非常に優秀な研究員であると同時に私たちの孫ですよ?」
「それもそうじゃな。幸せになってくれさえすればそれでいい。友達が世界の優秀な研究員であろうが仲良くしてくれさえすればそれでいい。」
私は祖母とともにのんびりと過ごしていた。
祖母は私が笑顔をなかなか見せてくれないことを心配していた。
そのため、私が好きな物を色々な所に連れていって探してくれた。
そんな私が唯一笑顔を見せたのが猫だった。それに気づいた
祖母は保健所やペットショップに私を連れていき、自分が育てたいと思う猫はいるかと訪ねたり、猫のテレビを共に見ながら私の傍に寄り添ってくれた。
そう、私が祖父母は以外で唯一笑顔を見せたのは猫。
だから私は猛スピードで猫に気付かず走るトラックから猫を守ろうと飛び出してしまった。
今までで1番強い痛みを感じた。
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