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異世界で尻を穿つ者  作者: えむえむ
4/4

第四話〜穿つの恩返し〜

「よっしゃー!今日は飲みまくるぜー!」


「「「オー!!」」」


冒険者達の張り切った声の中で酒場で一息つく穿つら3人


「ねぇ、穿つ?さっきのあれ何したの?」


リノシーは先程の戦闘で穿つの放ったカンチョーに違和感があり、尋ねた


「特に何もしてないよ、リノシーさんにした時と同じ事しただけ」


「しかし、指先が光っておったように見えたが」


謎の力に首を傾げていると、穿つが冒険者達に質問責めされる


「なぁ、坊主!お前はどっから来たんだ?」

「この世界に来てからどんぐらい経った?」

「さっきの技はなんて言うんだ?」


グイグイ来る質問に圧倒されながらも、一人一人に答えていく穿つ


「確かに、あの質問からするにこの世界には結構な数の異世界人がいるようね」


「不思議なこともあるもんじゃ」


酒場で騒ぎ散らかした男たちにより、結局朝まで起きていた穿つら3人が就寝したのが朝になってしまった


「うげぇー!二日酔いだー!」


「リノシーは弱えのにあんなに飲むから⋯⋯」


「うっさい!う、ぐぇぇー!」


嘔吐音が部屋に響く

夜更かしした穿つは目を擦りながら体を起こす


「お、目覚めたか?目覚めの悪い朝ですまんな」


「別に良いけど、リノシーさん大丈夫?」


竜次の横には未だに嘔吐しているリノシーが居た


「心配すんな、いつものことだ」


竜次はそう言いながら背中をさすり、吐き気を抑えようとしている


「そういえば、昨日なんでこの街が襲われたんだろう」


「んあ?そりゃお前さん、俗に言う魔王がいるからさ」


「魔王?」


RPGでしか聞かない名前に思わず聞き返す穿つ


「あぁ、容姿は謎に包まれているが、昨日みたいにドラゴンとか、巨大な魔物を何体も従えられる強さの持ち主なんだとよ」


「ふーん、昨日みたいにやっつけられないかな」


簡単に言う穿つに思わず笑ってしまう竜次


「はっはっはっ!簡単に言うがお前さんが倒した女の人は、幹部ぐらいの強さだ。それ以上の強さを持ったやつにはおそらく通用しないだろう」


少し会話をしていると、吐き気の治ったリノシースッと立ち上がる


「よーし!吐き気も無くなったところだし、クエスト依頼でも見にいくか!」


「お!早速かい?穿つ、初仕事だ」


「クエスト?もしかして、困った事とかを代わりに解決するアレ?」


「んーまぁ、そんなとこだ。魔物退治が殆どだけどな」


3人は外に出て、酒場に向かう

クエスト掲示板があるのは定番中の定番だ


「ほーん、結構出てるな」


「へぇー、ゴブリン退治にスライム駆除、作物防衛もあるな」


「ゴブリンってあの時の?」


「あぁそうだ、お前さんが来たから油断して逃げちまったけどな」


穿つは悪意がないとはいえ、依頼の邪魔をしてしまった事を後悔する


後悔の念を晴らそうと竜次に尋ねる


「ねぇ、竜次さん。ゴブリン退治にしよ?」


「おぉ、お前さんがやりたいってんなら受けてやるが、申し訳なさでも感じたか?」


「うん、逃げられたのは僕のせいでもあるし」


話を聞いていたリノシーは、クエスト用紙を壁から外し、受付係に渡す


「ゴブリン退治を希望ですか?それではお名前をご記入下さい」


「はいはいっと」


用紙にスラスラと名前を書いていくリノシー

紙を渡すと別の大きな紙と前金を貰っていた


「さぁ、行くよ!アンタたち!」


「へいへい、ついてきな、坊主」


「ちょ、ちょっとどこに行くのさ」


穿つはリノシーに大きな紙を見せられる

マップだ


「見てみな、この印のところにゴブリン達がいるわけだ」


「山?」


「そうだ、洞窟の中で生活しているらしいが、最近人間を襲うようになってきたらしい」


マップを丸め、再び歩み始めるリノシー


「まぁ、ゴブリン自体は頭が良いが単体の戦闘力は低い。一体ずつ殺れば、すぐ終わるさ」


穿つはゴブリンを殺すことになるとは思ってなく、内心ドキドキしながら竜次とリノシーの後を追った



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