第三話〜いきなり!?ドラゴン襲撃!〜
「坊や、着いたよ」
「うわぁー」
そこは元いた世界の様な街ではなく、活気溢れる人たちで賑わった豊かな街だった
「じゃあ、行商人さん。俺たちはこれで」
「あぁ、ありがとさん!近頃は物騒だからね、また頼むよ」
行商人は荷車を引きながら街へ入っていった
「さてと、仕事も終わったし宿でのんびりしようかねぇ」
「竜次さん、僕これからどうしよう」
竜次は困惑した
「いやぁ、どうするも何もワシはお前さんの親でもねぇからなぁ」
「そ、そんなぁ」
と、そこに街の案内人が通りかかる
「おっとっと、そこな可愛い旅人さん!もしかしてここに来て初めてかい?」
「え?そうだけど⋯⋯」
穿つの顔をまじまじと見た後、後ろにいる竜次とリノシーの顔も見る
「なるほど、後ろの人は元々この世界の人か」
「はぁ?この世界の人ォ?どう言うこっちゃい」
「説明すると長いけどね?実は⋯⋯」
案内人が言葉を溜める
竜次も実は?と言った感じに耳を傾ける
「なんと、この街には沢山の異世界からやってきた人がいるのだー!」
「おいおい、初耳だぞ?そんな街があるなんてよ」
「僕以外にもいるんだね」
竜次はそのセリフに違和感を感じた
僕以外?竜次は堪らず聞く
「お前さん、もしかして異世界っちゅう奴から来たのか?」
「そう見たい、ほら他の人と違った服も違うでしょ」
「た、確かにワシらの着てる服より着心地は良さそうじゃが⋯⋯」
案内人はまあまあとりあえず話聞いて!と注目を集める
「この街が出来たのは君の様な異世界の方を集めて、この世界で生きていかせるために、パーティを組むことを目的とした街なの」
「だから、まずはギルドって言う酒場に行ってみてよ」
「ほーん、それ面白そうやな!ワシもついて行ってええか?」
「いいよ!」
竜次は初めてのギルドを体験するようだ
そんな中背負われたリノシーはいい加減降ろしてくれと小声で言う
「おぉ、悪い悪い。尻は大丈夫なのか?」
「うーん、何とかね」
「お姉さんのお尻刺し心地良かったよ」
「黙りやがれ!このクソガキめ!」
流石は女戦士、威圧が物凄い、まるでライオンに吠えられたようだ
「それで?ギルドはどっちなんだい?」
「こちらですよ!どうぞー」
案内人について行くと酒場のためか、飲んだくれも少々居た
奥にはカウンターがあり、バーテンダーの他に受付嬢もいた
「あの人に話しかければ手続き出来ますよ」
「へぇ、今時こんなやつまであるとはね。何人まで疲れるんさね」
「一応パーティの人数は原則4名までとなってますよ」
「そうだな、よし!ここはお前さんを入れて3人でパーティ作るか!」
リノシーは、は?とでも言いたそうな顔だ
「ちょ、ちょっと待ってよ!この子はまだ子供だし、ろくな武器もないじゃない!どう戦うのさ!」
「リノシーがやられた奴があったろ、アレがこいつの武器さ」
「いや、あれは確かに痛かったけども!」
と、喧嘩を他所に穿つはいつのまにか、受付嬢から渡された紙にパーティメンバーを申請してしまっていた
「あ"あ"!!いいなんて言ってないのに!」
「まぁ良いじゃねぇか、リノシーが立派な男に育てればええことやし」
「はぁ、男ってどうしてこう自分勝手なんだろうねぇ」
受付が終了し、ギルドを後にしたその時!
ドゴォン!
「うわー!」「火の玉だー!」「助けてくれー!」
街が襲撃された!
上空にはかなりの数のドラゴンが飛んでいる
中央にはそれを統率するボスらしき女性がたっている
「はっーはっはっ!愚かで無様な人間どもよ、高貴で優れた我ら魔族に楯突くために異世界から人材を集めていたらしいが、ここで終わらせにしてもらうぞ!」
「なんだなんだ!街についた途端襲撃かよ!」
「穿つは下がって!一応言うけどこの非常事態に可笑しな真似すんなよな!」
穿つは小さく頷き、物陰に身を潜める
「行けぃ!ドラゴン共よ!この街を火の雨を降らせー!」
その号令と共にドラゴンは急降下しながら口から火球を飛ばしてくる
「ゴアアアアアアア!!」
耳に響く重たく低い咆哮の中で街を直撃する火球
せっかくの景観が台無しだ!
「よし、ドラゴンが地に足をつけたぞ!攻撃だ!」
おそらく、異世界から来た一般人も混じっているだろう武器を持った人達がドラゴンに突撃する
「だりゃー!」
「せいやー!」
しかし、ドラゴンはビクともしない
「全く、新米戦士たちしかおらんのけ。異世界の奴らは貧弱じゃのぅ」
「アタシらが代わりに倒すしかないな!」
竜次はドラゴンの前にゆっくりと歩み寄る
「おいおい、死ぬわアイツ」
「おっさん!死ぬぞ!アイツには武器が効かねぇ!」
「誰がおっさんじゃー!」
竜次がキレたと同時にドラゴンがこちらに突進してくる
「ゴアアアアアアア!!」
「ふん、正面から走ってくるとは楽でええのぉ」
竜次はすっと構え、居合の形をとる
「秘剣!燕返し!」
竜次は目にも止まらない速さでドラゴンの硬い鱗を貫きドラゴンを真っ二つにする
「おー!っと、おっさん上だ!また来たぞ!」
「だから、おっさんじゃないと言っとろうがー!」
竜次は空高く跳び、急降下してくるドラゴンを怒りに任せ、ぶつ切りにしていく
一方、リノシーはドラゴンの急所を狙いながら確実に仕留めていた
「1匹倒すのは簡単だけど、こうも数が多いと時間がかかっちまうよ」
穿つは上空に居るボスらしき女の人を目を凝らして見る
よく見ると、露出の多い服装で感じ的には、側近クラスの感じがした
「なんとかあの人を、地上に下さないと」
そうして考えた結果煽ってみることにした
「おーい!そこのおばさーん!」
「おばっ!?」
ボスらしき女性はおばさんと言われて傷ついたようだ。
しかし、その言葉に苛立ったのか降下をしてくる
「坊や?今なんつった?おばさん?どこをどう見たらおばさんなのよ!えぇ!」
「僕から見たらおばさんだよ」
その言葉にさらに苛立ちを見せる
「ムッキー!全く!どうしてこう、人間の子供ってマナーがなってないのかしら!」
苛立ちを見せている女性の背後に周り、指を構える穿つ
だが、その構えをとった瞬間指先に光が集まり始めた
「まぁ良いわ!私を怒らせたらどうなるか⋯⋯あら?」
「すきあり!」
いつものように尻にズドン!したが、指を刺した瞬間光が女性を飲み込んだ
「っ〜〜〜〜!!」
言い表せない悲鳴を上げた女性は黒くこげ、灰となって消えてしまった
「あり?」
その光景を見ていたドラゴンが周りのドラゴンと共に慌てふためいた様子で逃げて行った
「ゆ、勇者だ!勇者の誕生だー!」
ワーワー!
民衆が穿つを取り巻く中で竜次とリノシーは
「アイツ、あんな技で魔族を倒したまいやがった」
「あんな技でアタシは死にたくはないね」
と、困惑した様子で見ていた