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異世界で尻を穿つ者  作者: えむえむ
2/4

第二話〜はじめての異世界、初めての魔物〜

「はぁ〜、急に放り出されても困るよ⋯⋯」


 入り口に吸い込まれて着いた先は先ほどとは違う草原だった

 生前の世界とは違い、ビルや住居なども無く開拓のされていない自然な景色が広がっていた


「どこに向かえばいいのやら」


 あたりを見回していると先ほどの女神の声が聞こえてくる


『もしもし?聞こえるなら返事をしてください』


「んぁ?」


 突然の女神の声に気の抜けた返事をしてしまう

 どうやら、言い忘れていたことがあるようだ


『あなたには、私に触れたことにより女神の加護が付与されているはずです。その加護のおかげであなたはこの世界の魔物と渡り合える力があるはずですよ」


 カンチョーした時にどうやって加護なんて、与えたのか?まさか女神様のう⋯⋯


『変なこと考えてると、地獄に投げ入れますよ』


「ご、ごめんなさぁーい!」


 そそくさと、その場を後にする穿つ

 がむしゃらに走っていく彼は、ひたすら野原をかけて行った


 しばらくして、かなり走ったおかげで山岳地帯にやってきた

 あれほど遠くに見えていた山を間近で見ると、自分が登山した山とは違い、険しさが断然違っていた


「急な⋯⋯斜面だなぁ⋯⋯おろ?」


 山を登っていると上の方で行商人の荷車が見える


「その荷車、待って〜」


 何故か動かない荷車の所までくると何故動かないかを理解した


 ちょうど魔物と対峙していた最中であった


「えぇい!物資を狙って襲撃するとは卑怯な!」


「あんたは先に行っとくれ!ここはアタシらに任せな!」


「す、すまねぇ!用心棒さん達気ぃつけてくれよ!」


 行商人のおじさんは荷車を走らせる

 牛を鞭打ち、牛は歩み始める


 物陰から交戦中の人たちを見守る


 魔物と思しき、見にくい生き物は豚のような鼻を持ちよだれを垂らしている

 ゲームに出てくるなら多分ゴブリンみたいな奴だ


 一方、用心棒と言われた2人を見てみる


 笠を被った辻斬りのようなおじさんは年季の入った刀を持ち、ゆっくりと刀に手をかける


 そして、鎧を最小限に身に纏ったお姉さんは丸い盾を構え、攻撃を受け流そうとしている


「お姉さんのお尻はガラ空きっと、よぉーし!」


 コソコソと近づき、お姉さんの背後に着く

 ゴブリンはこちらに気づいたが、脅威ではないと知ると再び2人の人間にガンをつける


 尻の中心に向けて指を構え、尻の芯を射抜く


 ズドン!


「おほオオオォ!!」


「おわっ!なんだぁ!?」


 突然、相方が倒れ込みびっくりする辻斬りのおじさんはすぐに原因を把握する


「ガキ?なんでぇ、おめぇさんこんなところにおるがか!」


「そんなことより魔物倒さないの?」


「あ、あぁ!しまった!」


 隙をつかれたため、気づいた時には魔物はトンズラしていた


「逃げられちまった、全く」


「お"お"お"お"お"!」


「おいおい、相方がこんなんなっちまったじゃねぇか!どうしてくれんだ!坊主!」


「だって、女の人のお尻があったら刺したいじゃん」


「え?まぁ、ロマンではあるが⋯⋯いや時と場所をだなぁ!」


 とりあえず辻斬りのおじさんは女戦士を担いで、突然現れた子供と共に行商人に追いつくことにした


「おじさん達、名前なんて言うの?」


「おじさんて、ワシは26じゃ!」


「僕から見たらおじさんだよ」


 まぁそう見えるのも仕方ないほど顎髭が生えており、ろくに手入れもしてないのが分かる


「まぁ、おじさんって言うのはやめてくれや。ワシの名は『斧田竜次おのだ りゅうじ』っちゅうんじゃ」


「カッコいいな、こっちのお姉さんは?」


「こっちは相棒の『ナルア・リノシー』っちゅう女戦士じゃ、色っぺえだろう」


「うん、おっきなお尻だね」


 穿つはお尻の穴付近を優しく撫でる


「やめりょお!そんなとこしゃわりゅなー!」


「あんれまぁ、尻が敏感になってやがる」


 ビクビクと震えるリノシーを担ぎながら行商人に辿り着いた


「やぁ、用心棒さん!お陰様で無事に物資を売りに行けそうだよ」


「そりゃあ良かった、だがワシらの仕事は最後まで送り届けることだ。気を抜いちゃいかんぜよ」


「どこに向かってるの?」


 ひょっこり現れた穿つを見て竜次に問う行商人


「こちらのお子さんは?」


「あぁ、さっき魔物がいた所にいつのまにか居たぜよ」


「ほぉ、坊や一緒に街に来るかい?」


「いいの?ありがとう!」


「元気が良ろしいことで」


 心優しい行商人と用心棒に出会い、新たな街で何をみるのか

 穿つは心を踊らせながら、その後をついて行った






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