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超ヒトネコ伝説オマエ・モナー  作者: ヤクバハイル
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コピペからスタート

 序文


 これは遥か昔、地球人類の全てがホモ・サピエンスという“肉体”を持ち、一部の人だけが“精神”のみを仮想世界に投影し、現実と仮想世界の間を行き来していた時代の物語である。

 人間と仮想世界との接触は二十世紀、二度目の世界大戦中の弾道計算よりはじまり、TVゲームによって多くの人々に知覚されたといわれる。その頃はまだ人類は肉体を持ち、仮想世界はブラウン管で出来たTVの向こうに存在していた。

二十一世紀に入ると、一部のゲームユーザーの中には仮想世界との交信に没頭するあまり肉体を衰弱させ、遂には死亡するケースが出てきた。その反面、仮想世界の中に自己を直接投影したいという欲求を持つ者も増え、ゲームメーカー数社は競ってその欲望をかなえるべく研究と試行錯誤が繰り返された。

人間の精神のみが仮想世界内のゲームキャラクターを通じて自由に活動できるようになったのは20XX年の米国某研究機関の発表からで、その当時はまだ脳髄内に外部とのネットワークリンクが可能な数センチ大の端末を手術で設置し、頭部を包むヘルメットからパソコン、もしくはTVゲームのハードを経由してゲームメーカーのサーバーと繋がって(ログイン)いたといわれる。しかも肉体を衰弱させないように栄養剤の点滴と排泄のためのオムツを付けて横たわっていたので、プレイヤーの見た目はかなり格好悪くなっていた。

当時のマスコミは自分たちの送り出す媒体を最大限に使い、ゲーム業界を攻撃した。彼ら曰く『頭の中に携帯電話を入れるがごとき所業は生命の倫理に反する』と……。古い価値観にしがみつく人々は新しい価値観に恐怖するものだ。

それから数年後には、ナノテクノロジーの進歩と共にヘルメットの小型化が進み、手術をせずとも数ミクロン大のナノマシンを皮下注射で人体に注入するだけで仮想世界に没入できる準備が出来るようになった。それでもマスコミは『ナノマシンで頭の中に携帯電話を再構成する所業は生命の倫理に反し、一日中ログインすると脳が焼かれる可能性がある』と攻撃の手を緩めなかった。

 その状況は一本のゲームコンテンツのシステムによって対応がなされた。

それが今回紹介するバーチャルネットワークゲーム『オマエ・モナー』と、そのゲームに搭載された画期的な『ダミーシステム』である。


 ――古代史研究家ウプレス著『仮想世界への移住はオマエ・モナーから始まった』より抜粋――


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