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頭がおかしい作者のいかれた短編集

大衆の判決

作者:

(仕事行く前に時間ができたから、SNSを開くか…)

そう思い俺はスマホに手を伸ばす。


たくや『どーもお久しぶりです。だれか見てますか?』

ワイト『久しぶり‼』

しゃらく『お久しぶりでーす。見てますよ』

ミスター『たくやさん、お久しぶりです。最近どうしてますか?」

たくや『いやー仕事が忙しくて…全然出れなくてすいません』


それからしばらく俺たちは、自分の趣味などについてなどを書き込んでいた。

そして、暫くしてある話題に移る。


ワイト『あっ!ところであのニュースみました?』

しゃらく『? あのニュースって?』

ワイト『ほらーあったじゃないですか!工事現場で上司の注意にキレた男が工具で頭を殴って殺しちゃった事件』

たくや『あーありましたね、そんなやつ。それがどうかしたんですか?』

ワイト『それでですね。そいつ例の件で死刑になったんですよ。しかもその例の件、私も参加したんです』

ミスター『えっ⁉マジっすか』


話題になっている例の件とは、近年ネットが普及し色々な情報が入手できるようになり、それには凶悪なものも、もちろん含まれている。それはいいのだが、中には、事件の凶悪性とそれに伴う刑法がふさわしくない事が幾らかあった。それを疑問視するグループが提示した内容が、大衆が多くの認知、意見のある事件ならば、刑をそれらの声がに従うというもので、それが例の件だ。因みに参加方法は色々あるが、一番手っ取り早いのは、SNSで参加できることだ。


(それにしてもワイトさんが例の件に参加するなんて、すごいし、意外だなぁ)

そう思い、ふと時計を見ると時間が会社に行かなければならない時刻になっていた。


たくや『すいません。そろそろ仕事に行かなければ行けない時間なので抜けます』

しゃらく『はーい。わかりました』

ミスター『仕事がんばって』

ワイト『また今度』





SNSを閉じ、準備をして俺は会社に向かった。因みに、いつも車で出勤している。普段通りに住宅街をゆっくり走っていると、普段通りでは無い状況が目の前に現れる。


「まずい!女の子だ‼」

咄嗟に急ブレーキを踏んだがドゴンという鈍い音で間に合わなかったと理解した…




それから事を説明すると、女の子は命に別状は無いが少しの身体の障害を残してしまった。しかし、弁護士の話では近くの監視カメラからスピード違反はしていなく、俺が十分注意しての運転だったためそこまで刑は重くないらしい。だけれども事故をしてしまったのは事実だ。これから告げられる判決を受け入れしっかり起こってしまったことに向き合おう………





「えっ、今なんて言いました⁉」

「聞こえなかったのですか被告人。あなたは死刑です」

「なんで死刑なんですか!理由を言ってください‼」


確かに俺は事故を起こして、罰を受ける身だが、余りにも刑が重すぎる。

放心状態の俺に「私が話しましょう」と一人の裁判官が理由を告げた。


「例の件知ってますよね。あなたが起こしたこの事故は、沢山の人に知られ、例の件の参加者も増加し、その意見が適用される票数となり、多かった意見が死刑なのです」


俺はその言葉に額からは大量の汗が吹き出し、膝はガクガクと震えていた。

「あっ、因みに義務としてどんなことが書かれているか伝えなければならないので言いますね。『未来ある少女に障害を持たせた奴は許せない。死刑を求める‼』『こんなクズ死刑でいいだろWWW』『これで死刑にしなかったら、マジ草生えるわ(笑)…」



途中から頭に言葉が入らなくなってきた。

なんで、こんなふざけた文章で俺が死刑になるんだ…

嫌だ…死にたくない

「死にたくないいいいいぃぃぃぃぃいいい‼」











ミスター『あの事故った男、死刑になったらしいよ』

ワイト『死にたくない、って絶叫したらしいよ』

しゃらく『僕、参加したんですけどやっぱ死刑にして正解でしたね』

ワイト『そーだね。ところで話変わるけど最近たくやさんこなくない?』

ミスター『仕事が忙しんじゃないの?』

しゃらく『いつ来るんだろーなぁ』



最後まで読んでありがとうございます

さて、最近ニュースで話題なった事件をSNSで検索すると「犯人に死刑を求める!」という書き込みが多い気がします。

確かに犯人を許さない気持ちはありますが、当事者ではない赤の他人の多くの人が同調し匿名で「死刑を求む」というのはどうかなと疑問を持ち、これが本当に裁判の判決になったらこうなるなと自分なりに予想し書き上げました。

以上あとがきでした。

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