7.蒼の授業の内容。
「とは、言っても蒼殿、さすがに一ヶ月間でBランクまでの術を覚えるのは無理があります」
と、風子は反論する。
「そこらへんは大丈夫だ」
と、蒼は言う。
「何が大丈夫なのでしょうか…?」
と、木島妹が蒼に言う。
「俺が教えるからには…手加減はしないからだ…」
「あ、蒼…ま、まさか…」
積木は何故か怯える。
「今日はさすがにまだ準備してないから明日から始めるぞ、いいな?」
「……まぁ…勝つ手段がそれしかないなら…」
と、納得してくれた水下さん。
皆もしぶしぶ納得してくれた。
そして…怯えてる人が1名。
「はわ…わわ…あ…え…」
「どうしたのつみっちゃん?」
と、積木の様子が気になった美姫は聞く。
「美姫ちゃん…覚悟しといた方がいいよ…蒼は…蒼は…本当に手加減を知らないから…」
そして、その日の学校は終了。
皆と別れた後蒼は家に帰りながらどうやったら効率よく覚えさせるか考えていた。
「ん~…」Bランクまでの術を覚えさせるのは本当に時間がかかる。
実際に全ての術を暗記してる奴なんていないだろうしな…ま…俺を除いては…だけどな。
そう、術のマスター方法はその詠唱文を覚えなければいけない。
だが術は様々な物がある故に、覚えるのも大変なのだ。
上のランクに上がるにつれ詠唱文は長くなる奴もある。
だから皆、覚えるとしてもごく一部なのだ。
中学の授業だけじゃ覚えられる術も限られるしな。
けど、どうやら俺は記憶力がかなりいいらしくD~Bランクまでの術は全て暗記している。
だが、俺は竜人じゃないから覚えても意味はない。
そして、俺の知っている限りの術でこの一ヶ月で、あの三人に教えられるとすれば…短い詠唱術…だな…威力は弱まるがDランクよりかはましだ。
「よし…決まったな」
残りの、風宮、木島兄、積木の三人をどうするか、だな。
まぁもう決まってるが…
色々考えている内に家に到着。
「ただいま~」
蒼が部屋に向かい、待ち構えているのは…
「マスッター!お……かえりー!」
ゲームのコントローラーを右へ左へ上へとやっている茜だった。
「はぁ…何だろ…お前を見てるとさっきまでの疲れが更なる疲れへと変わった気分になるよ…」
「えへへ~それほどでも~♪」
「誉めてねぇよ!!」
蒼はいつものように茜と下らないやりとりをした後、机の椅子に座り、明日の皆の予定を書く。
そして、書いてから30分後。
「ん~!終了…」
背伸びをしながらやっと書き終えた。
「ぐ~…んん…」
「ん?」
横から声が聞こえると思って見てみるとそこには無防備に床で寝ている茜の姿があった。
「たく…そんな所で寝たら風邪引くだろ…」
俺は茜をベットに運び、ちゃんと毛布をかけて寝かせた。
「マスター…」
と、茜は寝言を言う。
「はは…お前の顔見ると疲れがでるのに何だか…元気も出るな…お休み、茜…」
俺は布団を敷いて寝た。
「うう…」
朝、茜が俺の上に乗りながら寝てると言うとても最悪な目の覚め方をした。
「どいて…く…れ!」
と、俺は茜をどかした後、制服に着替え朝ごはんを食べて茜を起こす暇もなかったから今日は何もせずに学校へと向かった。
そして、学校に到着した後
「ガラリ」と、俺は教室の扉を開けて、チームの皆に声をかけて、今日の放課後やることを説明する。
「今日の放課後これをやるぞ!!」
と、俺は机にバンと一枚の紙を見せる。
「これって…」と、驚く木島兄。
「これを本当にやるのか!?このダーク・ザ・エンドを殺す気か?!」
「何世界を闇に包む者が弱音吐いてんの!?」
と、つい、つっこんでしまった蒼。
「んん…とりあえず、今日からこれをやる」
「やるって…これを…」
蒼が見せた紙の内容、それを今から書こう。
Bランクまでの術を覚えよう!
水下さん、風子さん、栞さんの為の内容です!
放課後夜の12時までもう勉強!!
俺が三人に授業をする。
覚えるべき術をいくつか教える。
まぁ分厚い辞書10冊分くらいは暗記することになるから覚悟してくれ!
※睡眠時間は一日2時間。
体力作りー!!
風宮さん、落さん、積木の為の内容です!
学園を外周二回する。
その後腹筋を500回5セット。
腕立て伏せを500回5セット。
背筋を1000回5セット。
※休むの禁止
以上!
と、書いてあった。
そしてこれを見た皆は勿論思った。
殺す気かこいつ!!!?!?
と……
「俺がやるからには、手加減はしねぇぞ?」