40.少女、その名は竜人研究家にて
少女は言った。
私は竜人が好き。
だって竜人は私達とは違う。
とても偉大な方達だ。
少女は言った。
私は竜人を調べたい。
全ての竜人を、隅々まで調べたい。
だから私は、竜人の研究家になる。
それが私の夢。
と。
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眼鏡をかけた少女はパソコンとにらめっこしていた。
「やっぱり間違いないっすー!!」
少女はパソコンから離れ、そして立ち上がりながら部屋中を駆け回る。
部屋には束になってる何枚もの紙や何冊もうえに置いてある本。
それらが少女が駆け回っているせいでバラバラと落ちて行く。
「やばいっすよー!見つけたっすよー!」
そして再びパソコンの画面に釘付けになる。
「この人が…この、朝倉 蒼さんがいれば炎竜についてわかるっす…!!」
少女と朝倉蒼が出会う日は、そう遠くはない。
少女は朝倉蒼について調べていた。
「んっと…朝倉さんは…おー!これは!家の学校の生徒じゃないっすかー!!」
少女は目を見開きながら言う。
少女は朝倉蒼が同じ学校と言う事実につい頬が緩む。
まるで恋をしている少女だ。
だが、少女が恋をしているのは朝倉蒼と言う人物に対してではない、少女は、竜人、に恋してるのだ。
じゃなきゃ竜人研究家になんてなる訳がない。
「とりあえず…どんな人なのか見に行くっすか、まだ接触はさけてと、警戒は大事っすからね!私は女の子っすから!」
そう言いながらセクシーポーズ。
「…なんすかこの気分…あぁ久し振りにテンション上げて疲れたんすね…んまとりあえず準備しなきゃっす!」
少女はそう言うと先程のパンツ一枚とTシャツ一枚、髪ボサボサから、ビフォーアフター。
制服を着て、その上に、白衣を羽織る。
そして新しくした黒淵の眼鏡をかけて、髪を適当に後ろに束ねる。
なんと言う事でしょう、先程のヒキニート感たっぷりな姿から真面目な印象へと変わった。
そして眼鏡を抑えて、このどや顔である。
「…なんすかね…ものすごく失礼な事を言われた気がするっす…まぁそんな事は置いといてと!そんじゃ朝倉さんの観察に行くっすよー!!」
少女はそう言うと、扉を開けて、部屋から飛び出した。
少女は自分の家には住んでいない。
少女が住んでいるのは竜ヶ峰人学園のとある一つの研究室に住んでいる。
理由は、また後程。
「ほうほう…あれが朝倉さんっすねぇ…何か写真と違うっすね」
少女は教室に足を運んできていた。
ちなみに、蒼は写真写りはいい方ではない。
本人は写真が苦手なのだ。
「ふむふむ…いい人っぽいすね!あれなら話し掛けても大丈夫そうっすね!」
少女がそう納得した後、蒼は話してた少女と別れた後、溜め息を一つ。
とてもひきつった笑顔だ。
「…また後にしたほうが良さそうっすね」
少女はそう言って研究室に戻った。
少女は、何かを察したのだろう。
今の朝倉蒼は何か悩みを抱えていると。
だが少女は知らない、朝倉蒼がとあるヒキコモリに悩まされてる事など。
そして少女は研究室に戻ると、とある事を考えていた。
「今まで謎だった三人の竜人、光竜、黒竜、そしてやっと尻尾を掴めそうな炎竜、研究家として、ロックオンした獲物は逃がさないっすよ~…蒼、先輩」
少女は、言った。
私は竜人が大好きっす!
だから、私は、竜人研究家として、全ての竜人を、調べて見せるっす!
と。
少女、その名は竜人研究家にて。
読んでくださりありがとうございます!
とうとう第七章が始まりましたね!
この章からはこの竜人研究家の少女がメインとなります!
これからの展開に期待して待っててくれると嬉しく思います!
それではまたお会いしましょう!