38.友達
「楽、話を聞いてくれ、俺は」
「聞きたくない!いいから帰ってくれ!!」
「蒼さんお願いします…帰って…」
あの栞までもが蒼にそう言葉を投げた。
段々分かってきた。いや…分かった。
二人がどうして俺を避けるようになったか。
きっと二人は俺との、朝倉蒼という名の偽善者への接し方が分からないんだと思う。
偽善者ほど罪深い人間などこの世にはいないからだ。
偽善は人を傷つけ、自分をも傷つける。
これを罪深き諸刃の剣と呼ばずとなんと呼ぶ。
二人はその両方を知ってるからこそ俺を避けてるんだ。
木島母は俺が関わらない方がいいと言った…自分達で解決するべきだと。
けどやはり二人と話して正解だった。
だってこの悩みはたった一言で終わるのだから。
こんなのは早く言うべきだった。
二人を救う方法、それはこれだ。
「楽、栞、俺はもう嘘はつかない」
「ッ…!」
楽と栞はこちらに驚きの視線を向ける。
そう、この一言だ。
嘘偽りもない。
いつも通りの笑顔で、いつも通りの俺で、本当の言葉を。
それだけでいいんだ。
だって俺たちは…
「俺たちは友達だ!」
友達同士に嘘は許されない…昔からよく聞く台詞だが、この意味を理解するのがまさか今なんてな。
だから俺は嘘はもうつかない。もう、偽善者にはならない。
二人の思いに答えたいから。
蒼が笑顔で楽と栞に顔を向けると二人は突然「ぷッ…アハハハ!」と笑い出した。
「え…?俺何か変なこと言ったか?」
「変っていうかその、よくそんな台詞を恥ずかしがらずに言えたなと」
楽はまたクスクスと笑う。
それに乗るように栞も笑い出す。
「ちょ…栞まで…」
「いや…だって蒼さん…ドラマ見たいなキザな…ぷっ!」
「お前らなぁ…ぷっアハハ!」
何故か俺まで笑いが出た。
馬鹿らしくなった。
俺たちは笑った、ただ笑った。
ようやく、俺たちは分かり合えた気がする。
そして楽達の悩みは晴れ、蒼も一安心だ。
「よし、んじぁ俺は帰るわ!」
「もうちょっとゆっくりしてけばいいのに」
と楽が言うと蒼が茶化すように言う。
「おうおう、さっきまで、帰ってください~、って言ってたのは誰でしたっけ?」
「その話はもう忘れてくださいよ…」
俺がニヤニヤしながら言うと楽と、何故か栞も恥ずかしそうに顔を赤くしている。
そういえば栞も言ってたな、だからか。
まぁここは何も言わずに帰るか。
そして俺は玄関の扉を開け、楽と栞に最後に一言。
「そんじゃ、また明日な!」
「はい!」
楽と栞は同時にそう返事した。
蒼はニッコリと笑った。
その蒼の笑顔を見てかはわからない、だがその時の二人の笑顔には不思議と…心に来るものがあったのは確かだ。
そして俺は確信した。
この二人はもう大丈夫だ。
迷う事なんてもうない。
読んでくださりありがとうございます!
私、あだちりる、はこの章を書きながら心の中でずっと思ってる事があります。
「バトルシーンを早く書きたい」うん、書きたい。
この先の展開は決まっていてバトル展開は勿論の事あります。
なので、この第六章を気持ちよく書き終わり、バトルシーンを書きたいと思っております!
多分この第六章は次の話で終わると思います!
では、自分はこれで失礼します。




