3.無茶苦茶だ
「は?今なんて?殺し合い?は?」
クラス中が混乱するなか、俺もその一人だった。
「あ~すまない、言い方が悪かったな」
と、セルスは黒板に、何かを書き始めた。
「今から行うのはこれだ」
そこに書いてあったのは
「架空フィールドでの戦闘だ。」
「架空フィールド…?」
と、俺は疑問に思いながら先生の話を聞く。
「架空フィールドとは簡単に説明するとだ、そこで死んでも死んだ事にはならん、実際の体は現実の世界にあるからな、だが、架空フィールドとは言っても痛みを受けない訳ではない、痛みを軽減させるのも無理だ、まぁ死なないから安心しろ」
あ、安心しろって…
死ぬほど痛いって事だよな……?
普通に嫌なんだけど…
「そして、この架空フィールドでの戦闘目的はこのクラスの順位を決める」
「順位?」
「そうだ、順位によって、実技実験のチームや色々決まる、順位はかなり重要になるから頑張るように」
「な……」
説明たんねぇ…
てか、これから戦闘って…
俺今日茜いないんだけど!?
「では、架空フィールドモードに設定する」
「ま、待ってください!俺今日、契約竜いないんですけど!?」
「知らん、なら逃げてろ」
「いや…ちょ…」
無茶苦茶だ…
……
…………
……………
「ん…?」
俺机には突っ伏した状態で目が覚めた。
場所はさっきいた教室。
「あれ…夢?」
「夢じゃないぞ」
この声…セルス先生!?
「今お前は架空フィールドの中にいる」
「え?…何か…実感わかないな…」
「そりゃあそうだ、架空フィールドとは言え体の感触、痛み、体力、すべでが一緒だからな」
そう…なのか…
「てか、さっきまでいた生徒は?」
そう、今俺がいる教室には俺しかいなかった。
不思議と不気味な雰囲気が。
「この架空フィールドはステージ、私立、竜ヶ峰人学園、に設定してある、他のクラスメイトはランダムで他の所に転送してある」
てことは今すぐ襲われてもおかしくない…ってことかよ…無茶苦茶だ…
「てか、さっきからこの声何処から」
まぁいいや…
細かいこと気にしてても良知が明かない…
「最後に聞いていいか?」
「何だ?」
「脱落条件は?」
「死ねば脱落する」
「はは…」
本当……無茶苦茶だ…
「見つけた!!!」
「んな!?」
いきなり開いた教室の扉から出てきたのは恐らく1‐4の生徒だ。
その女生徒は契約竜の女の子に命じる。
「行って!」
そして、契約者の契約竜は唱える。
「《我の望みを聞きたまえ…」
「竜式術!?いきなりかよ!!」
竜式術とは、竜人が竜式を解放した時に使える術の事だ。
竜人によって使える術は限られ、そして、術のランクもある。
術のランクは
D
C
B
A
S
に、別けられる。
ランクが高くなっていく事にその威力は増す。
だが、通常の竜人ならB、C、D、ランクの術が限界だ。
そして恐らくこの術はD、物を壊すほどの力はないはずだ!!
「クッ!!」
蒼は黒板の近くにある、教卓に向かい走る、そして教卓の下に隠れる。
「今、我が目的の物を払いて、打ち払わん》いけ!!!」
「クッ!!!!」
教卓に向かって放たれた風は教卓を上に浮かばされた。
「な!?」
最初っからDランクの術はフェイクかよ!?
「《我、風竜の名は、風を操る藻屑となれ》いっけぇぇえ!」
「え?ちょま!?…はは…」
Bランクって…容赦ないなぁ…
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
風の刃が俺の心臓を貫いた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
「がはぁ!!…はぁ…はぁ…はぁ…」
「やぁ、朝倉」
と、目が覚めた俺をニヤニヤしながら見ているのは、セルス先生だった。
「えっと…もしかして…」
「あぁ、おめでとう、朝倉」
「はは…」
「最下位だ」
と、ニコニコしながら言うクルス。
「ですよね~…」
俺の学園生活はもしかしたら最悪なスタートを迎えたのかも知れない。