26.もはや策ではない
投稿の方が遅れてしまい申し訳ないです!!
12月に入ってから忙しくなってしまい!!
ですが!空いた時間で頑張って書いて行きたいと思います!!
それでは26話の方をどうぞ!!楽しめて頂けたら幸いです!!
「蒼…こいつは私達だけじゃ倒せないぞ…」
シルは歯を食い縛りながら言う。
「……」考えろ…これは架空の戦闘じゃないんだ…本当の…生と死を賭けた戦いなんだから…
蒼は顔を上げる。
その時、蒼は府と思った。
「何故動かないんだ?」と。
もしかして…奴は何か動けない理由がある…?あの姿になった後の硬直する時間でもあるって言うのか…?もしこの考えが正しければ倒す方法はある。
「茜!フルエル!そしてシル!」
三人が蒼の方へと顔を向ける。
「これから作戦を説明する、いや違うか…策とは言わないな…いいか?本気でやれよ…じゃなきゃ俺達は…死ぬ」
蒼は何故か笑みを浮かべて言った。
そして三人は無言で頷くのだった。
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「案の定…と言った所か」
セルスは腕を組ながら言う。
セルスが見ていたのは術で作られた壁。
「どうするんだ?」
そして先程の謎の少女の声がまた聞こえる。
だが、その少女の声とわかる姿がクルスの右隣にいた。
金髪のポニーテールと黒と黄色が混ざっているマフラーが特徴的な少女だった。
「どうするも何も、攻撃あるのみだ!!ナルミ!!」
クルスがそう言うと、ナルミは仕方ないな、と言う顔をしながら両手の平を広げる。
「《我、雷竜の名の元に告げる、我とその契約者に聖なる雷を宿し、全ての敵を粉砕する雷を、してはそれをも超越する力となれ》」
と、ナルミが唱え終わると、セルスとナルミの頭上にとてつもない落雷が落ちた。
そしてセルスとナルミの体全身に雷のような黄色い光が鋭く光る。
「昔を思い出すな…ナルミ…」
クルスは笑いながら言う。
「フッ…そうだな…」
ナルミは鼻で笑いながら言う。
「ではカウントダウンスタートだ」
セルスはそう言うと壁の方へと走って行ったのだった。
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「……」何故か蒼、シル、茜、フルエル、の顔が引き締まる。
「蒼…この作戦は無謀なんじゃないのか…?」
シルは心配を隠せないでいた。
「大丈夫だ…俺を信じてくれ…」
蒼のその言葉を聞いてシルとフルエルは先程の浮かない顔が落ち着いている表情をしていた。
そして「茜…」蒼は茜に対してだけは、ただ優しい笑みを浮かべるだけだった。
茜は蒼のその顔を見て全てを悟った。
そして茜はニヤリと笑いこう言う。
「マスター、何だか、楽しいね!」
「はは…そうだな!」
二人は何故かこの状況を楽しいと言った。
その二人を見てたシルとフルエルは、狂っていると思うほどに二人の存在に恐怖した。
だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
今は化け物を殺す事だけに集中しなければならない。
「ッ!!」蒼は強く歯を食い縛った後化け物の方を振り向き叫んだ。
「突っ込めえぇぇぇぇえ!!!!」
そして四人は同時に、真っ直ぐ、迷いもなく、突っ込んだ。
蒼の作戦。
いや、これはもはや策ではない。
ただの賭け事だ。
この、敵が残り数秒は動かないと言う事に賭けた行動。
失敗は死を意味する。
だが、成功すれば勝利のチケット手に入れたも同然だ。
そして、化け物は再び、絶叫を繰り返す。
「うぁぁぁぁぁあ!!」化け物の目はこちらに集中する。
「《我、罪人は、す…す…べ、べて…を…死死死死死、死へへへへとと、か、か、か、変える…生と…な、な、なせせせ》」化け物は再び術を唱え、赤い光が化け物の前に集中する。
それを見ていたシルは慌てて蒼に話し掛けた。
「蒼!!あれは不味いんじゃないか!!?」
そう言っているシルに対し蒼は「いいから!!気にせずこのまま突っ込めえぇぇぇぇえ!!!!」同じ指示を繰り返す。
「あぁもう!!どうとでもなれ!!!!」
シルはやけくそで走る。
フルエルも同様。
「クッ!!」俺は強く歯を食い縛る。
俺の考えが正しければ後は茜とフルエルの力があれば行ける。
相手は動かなければただの的だ。
なら相手の懐に飛び込んで術を打ちまくればいいだけだ。
だけど…もし…俺の考えが間違っていれば…皆…さっき俺は俺達は死ぬって言ったけどあれは嘘だ。
正しくは失敗したら死ぬのは俺と茜だけだ。
読んでくださりありがとうございます!!