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ヒキコモリな炎竜と契約者(コントラクター)  作者: あだち りる
第五章「炎竜を狙いし者達」
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24.風宮 紀

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「朝倉蒼…」黒ローブの男が呟く。

あのセルスとか言う奴は何をしている?


黒ローブの男はセルスに朝倉蒼を連れてこいと言ったっきりセルスは戻ってきていない。


男はその事を気にしていた。

「……」

監視を一人つけてるが…いくらなんでも遅すぎる…まさか監視がやられた?いや、そんなはずはない。

奴は相当の手練れだ。

それとも…


「ッ!!」深く考えるな、今はこの任務にだけ集中しろ…


男が頭の中で色々と考えてるいると


「おい、貴様」


「……?」


一人の女生徒が立ち上がり、黒ローブの男に話し掛けた。


「なんだお前は?早く座れ、さもなくば…」

男は立ち上がった女生徒を脅すように積木に銃を向ける。


「本当に撃ってもいいのか…?」


「何だと…?」


男は銃を積木に向けるが動揺する様子がまったくない。


そして、一人の女生徒はこう名乗った「我が名はダーク・ザ・エンド!!世界を闇に包む者!!」と。


立ち上がっていたのは、紀だった。


「何を訳のわからない事を」

男は鼻で笑うように言う。


「お前は、竜人と人が混ざり合い、人が個々に術を使えると思うか…?」

紀は男に謎の質問を投げ掛ける。


「何を突然…そんなの不可能に決まっているだろ、そもそも、この二つの生命が繋がり、術を使える事はない」


男は否定した。


だが、紀は「それが可能だったとしたら…?」と言ったのだ。


「何だと…?」男は動揺を隠せていなかった。


「実際にその実験が行われた事を知っているか…?ま、世間ではまったく公表されていない情報を知っている訳がないか、この研究は一年に渡りされてきた、何度やっても失敗の繰り返し……」


紀は突然と語り始めた、その話を聞いた黒ローブの男は「何が言いたい…?」疑問に思った。


「ッ……」紀は笑う。


「成功してたんだよ、たった一人だけ…ね」


「そんなことあり得るはずかない!!」

男は強く否定する。


「あり得たんだよ…事実…ここにいるんだから」


「な…まさか…貴様が…?」


「その通り、私が竜人と人の合成に成功した実験体って訳だ、いや、成功体、と言った方が正しいか…?」


「馬鹿な!!!!」

男はまた強く否定する。


「なら、試してみるか?」

紀はニヤリと笑う。


「あ…ああ…」

ば、馬鹿な…あり得ない…

けど…もしそれがあり得るとしたら…

この状況……


男は顔を上げる。


「ヒッ!!」顔を上げると、そこには紀がいた。

いや、別人がいた。


「ふふ…」紀は笑う。


男に向ける紀の笑みは殺人気のようだった。


「ッ!!うあぁあ!!」


男が動揺のあまり紀に銃口を向けた。

その瞬間だった「今だッ!!」蒼の声が聞こえたと同時に、蒼は紀の隣に姿を現した。


そして、シルは男の後ろに姿を現し「ハッ!!!!」男の腕を掴み下に思いっきり叩きつける。


「グア!!!!」男は気絶とまではいかないが相当のダメージを負う。


そして、シルは叩きつけるのと同時に男が持っていた銃を奪っていた。


「ッ!!」黒ローブの少女が男の方へ向かおうとした瞬間「氷化」フルエルが黒ローブの少女の右腕を掴みそう呟いた。


すると、「んな!?」お互いの腕が凍り離れられなくなった。


「クッ!!」黒ローブの少女は強く歯を食い縛る。


「逃がしませんよ…」フルエルはニヤリと笑いながら言う。


「よし…」蒼は小さくそう呟いた後紀の方へと視線を向ける。


「紀さん…いや、紀、ナイス演技!!」


蒼はそう言いながら紀の頭を撫でる「へ…あのえと…!」紀は頬を赤らめる。


「あそこまでのハッタリはなかなか出来ないよ、紀だからこそ出来た、本当にありがとうな!」

蒼は満面の笑みでお礼を言う。


「ど、どう…致しまして…」

紀は下を向きもじもじしながら言う。


蒼は紀の頭から手を離す。


「皆逃げろ!!!!ここは俺達で食い止める!!」

蒼は皆に指示する。


「あ、あ…うあぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

一人の男子生徒の叫びの後に皆の叫び声が体育館に響き渡る。

体育館から全ての生徒がでてゆく。


そして、倒れていた美姫と風子の姿は消えていた。

そう、茜が既に二人を安全な場所に避難させていたのだ。

先程の紀の、ハッタリ、と同時に。


先程の紀の言葉は全て相手を混乱させる為のハッタリだ。

蒼は、常に自分を演じている紀ならこの作戦に向いていると判断したのだ。


この蒼の選択は大正解だった。


「紀さんは積木を連れて避難するんだ!!」

と、蒼は紀に言う。


「え…?でも…」


「いいから、後は俺に任せてくれ」

蒼の表情は自信に溢れていた。


そんな蒼の表情を見た紀は「わかりました!」と、言ったのだ。


この紀の返事は蒼への信頼の証拠だ。


そして紀は積木を連れて体育館から出て行く。


「さぁて…ここからが主人公の出番だ…」

蒼は眉にしわを寄せ、ニヤリと笑いながら言った。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「はぁ…はぁ…」紀は積木を抱き抱えながら校門へと向かう。


「蒼さん…」無事に帰ってきてください。


紀は願うの、のみだった。

読んでくださりありがとうございます!!!!

そしてさすが厨二病!!名演技!!

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