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ヒキコモリな炎竜と契約者(コントラクター)  作者: あだち りる
第四章「決闘の果てに」
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19.決闘開始

「朝倉…蒼」

そう言ったシルは蒼を指差していた。


「シル=バレット…」

俺はシル=バレットを睨み付ける。


「ほう…いい目をするじゃないか…」

シルは腕を下ろし、ニヤリと笑いながら蒼を見つめる。


「誰かさんのせいでな…」


蒼はシル=バレットを見るだけであの言葉を思い出す。

そして蒼の怒りのスイッチは既にONになっていた。


「私は弱い者いじめは嫌いでな、聞いたぞ?お前の契約竜は無属の竜らしいじゃないか…もう既に貴様をゴミと判断するには充分なんだが…まぁ戦って見るまではわかるまい、貴様にちょっとでも可能性があるかもだしな、どうする?ハンデでもいるか?」


「御託はいい、さっさとやろうぜ」

蒼の頭は今、どうやって勝つか、と言う事しか頭にない。


「マスター、話の流れからわかるんだけどさ、あの人が決闘の相手?」

と、茜がシルを指差しながら言う。


「あぁ、そうだ。」


と、俺は返事する。


「ふぅん…なるほど…」

茜がそう言うとシルの目の前に立った。


「私はデレのないツンデレは嫌いでね…ちょっとイラッと来ちゃったよ…いじめっ子ポジションは後で痛い目見るって知らないのかな?それと、私も弱い者いじめは嫌いなんだ、手加減して戦った方がいいかな?」

茜はニヤリと笑いながら言う。


「フッ…」

シルは鼻で笑う。


「貴様の契約竜は言葉だけは達者の用だな、それではやろうか、時間が惜しい、授業が始まる前に方を付けてやる」

シルは眉にしわを寄せながら言う。


どうやら茜は、シルの怒りのスイッチを、わざと、押したらしい。


そう言えば…さっきからずっとシルの後ろに隠れてるのはあいつの契約竜だよな…確か氷竜だったけか…

モニタールームで見たときとは氷で見えなかったけど…身長は茜と同じくらいか?それにしても茜とはまた違う可愛さが…って何言ってんだ俺…


蒼が見ていたシルの契約竜らしき少女は氷のように白い髪と肌をしていた。

とても濃く、冷たい水を想像させるような青い瞳。

ちょっと垂れている目。

雪のようににふわふわとしたショートボブだった。

右の髪に付けている青いリボンが特徴的だ。


「マスター?」


「へ?あ!ごめんぼーっとしてた!」

つい見とれちまった…


今、俺と茜はシル=バレットとの決闘のため、体育館へと向かっている。

俺と茜がシル=バレットとその契約竜の後ろについて行ってると言う図だ。


「んで…マスター…さっきのあれってどういう事……?」

茜は小声で蒼に耳打ちする。


「どういう事って何がだ?」

俺は疑問を持ちながらも茜に耳を貸す。


「だから…!さっき私が無属の竜ってあいつが言ってたじゃん…!」

茜は蒼の耳元で言う。


「あ…!」

そう言えば茜に言ってなかった…


「茜…」


「ん…?」


俺は茜の耳元で訳を話す。


「何でそう言う大事な事を早く言わないのさマスターは…!?」

茜は小さな声で怒りながら言う。


「すまん…!本当にすまん…!だから無茶を言うようだけど…頼みがあるんだ…茜…」

蒼は改まりながら小声で言う。


「ん…?」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「では、準備はいいな、朝倉蒼」


「あぁ…」


俺達は体育館に着いた後シルが架空フィールドの設定を一分後に転送を開始するように設定した。


「残り30秒だ、楽しみだなぁ…お前をやっとゴミ扱い出来るのだから」

シルは眉にしわを寄せて、笑いながら言う。


「そうですかい…」

俺は苦笑いしながら言う。


茜…頼むぞ……

お前の竜式術のセンスに賭けるしかないんだ。


「うぅ…」

マスター…やっぱり無茶だよ…

竜式を解放せずに倒すなんて…


そう、俺達は、炎竜であることを隠して戦わなくちゃいけない。


つまり、竜式も、属性術も使ってはいけないと言うとてつもないハンデを加えて戦わなくちゃいけないんだ。


正直無茶だけど…

でも…こう言う展開ほど…燃える。


そして、俺達は架空フィールド、ステージ、竜ヶ峰人学園、に転送された。


一年の廊下に転送された蒼と茜。


そして蒼はワクワクしたような表情でこう言った。


「バトルスタートだ。」

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