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ヒキコモリな炎竜と契約者(コントラクター)  作者: あだち りる
第四章「決闘の果てに」
19/43

18.茜、学校に行く。

「ん…?」

朝、俺は目が覚めた後、洗面所で顔を洗い、制服に着替える。


「あれ?そう言えば茜がいない…」

そう言った蒼がリビングの方へ向かうと


「ママ~ん…これ本当におかしくない?」


「大丈夫大丈夫!茜ちゃん凄く似合ってるわよ!!」


ソファーに茜が座りながら、母さんが茜の後ろにたっていた。


「なにしてるんだ?」

俺が不思議に思いながら聞く。


「あら蒼!」

と、母さんが丁度良いところに、と言わんばかりな顔で振り向いた。


「ちょっと見てこれ!」


「ん?」


母さんが茜を蒼の方へ向けようとする。


「ママん!やっぱり恥ずかしいよ~!」


「大丈夫よ!ものすごく可愛いもの!」


茜は顔を真っ赤にしながらも、蒼の母の口車にまんまと乗せられ蒼の方に顔を向ける。


「ッ…!!」

こちらを振り向いた茜の制服を着た姿と、いつも何も手を加えていないボサボサの髪の毛が、しっかりとブラシをかけられていた。

そして、纏められた二つの髪の毛。

そんな茜の姿を見た俺はつい、可愛いと思ってしまった。


「ど、どうかな…?マスター…この歳になってツインテール何てあれだけど…」

茜はもじもじしながら言う。


「に、似合ってるな…ま、まるでラノベのヒロイン見たいだな!!」

俺はつい、顔を真っ赤にしながらはぐらかしてしまった。


だって…こう言うの何て言えばいいかわかんねぇんだもん…


「そうかな!?」


「おう…」


「ヒヒ♪ありがとう!マスター!」


茜にとっては嬉しい誉め言葉だった。


今日、俺は初めて茜と学校に行く。

こんなとても嬉しい日に感動すら俺は覚える。

決闘なんて理由じゃなければだけど…


だが、俺はまだ知らないんだ。

今日この日、決闘以上に恐ろしい出来事があるなんて。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「炎竜の居場所がわかったのか?」

一人の黒いローブを被った男が一人のサングラスをかけた金髪の男に問い掛ける。


「まぁねん!大体は…ほいこれ!」

サングラスの男がローブの男に一枚の写真を見せる。


「これは…」

ローブの男が写真を見つめる。


「竜ヶ峰人学園1‐4、朝倉 蒼、15歳、炎竜の契約者だ。」


「炎竜の…!?」

ローブの男が言葉を疑う。


「うん、ほら、とんでもない落雷が落ちてビルが木っ端微塵になってたって言う事件があったでしょ?あれは雷竜がやったんだ、その雷竜は暴走してたんだけど、その暴走を止めたのが炎竜何だ、そしてその現場にいた、ただ一人の少年が…」


サングラスをかけた男が写真を指差す。


「その子って訳」


「つまりこの少年を、殺れば…炎竜も死ぬ…」


「ん~?そんなこと情報屋の俺に言っちゃっていいのかな?」


「構わん、どうせ今日で終わるのだから…」


「ふ~ん…ま、頑張ってよ、報酬はその後でいいからさ」

サングラスの男はその場から立ち去る。


「食えん男だ。」

ローブの男がそう呟いた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「それじゃあ母さん、行ってくる」


「行ってきますママん!」


「行ってらっしゃい」


俺と茜は玄関の扉を開けた後学校へと向かった。


「ガラリ」と、俺は教室の扉を開ける。


そして六人がこちらを振り向く。


「あ!蒼ー!おは…ッ…!?」

積木の顔が固まる。


「蒼っち!おは…ッ…!?」

美姫の顔が固まる。


「蒼さん!って…ッ…!?」

楽の顔が固まる。


「皆どうしたの…ッ…!?」

栞の顔が固まる。


「蒼殿……ッ…!?」

風子の顔が固まる。


「蒼と…やら…その少女は…?」

紀はプルプルと震えながら茜の事を指差した。


「あぁ…紹介するよ、こいつは俺の契約竜の茜だ」


「マスターの契約竜の火爪 茜で…す…よ、よろしくお願いします…」

茜は蒼の後ろに隠れながら自己紹介をした。


こいつはどうやら人と話すのが苦手らしい。


「か、か…」

積木が小さな声で何か言っていた。


「可愛いぃぃぃぃぃぃい!!!!!!」

積木がそう言った後茜のソバに近付く。


「この子蒼っちの契約竜なの!?可愛い!!超抱き締めたい!!」

美姫が目をハートにしながら言う。


「あ、蒼さん…茜ちゃんの事…ペロペロしてもいいですか…?…はぁ…はぁ…」


栞はプルプルと震え、よだれを垂らしながら言う。


「し、栞さんがいつもと違う…」

蒼が初めて栞さんに近付きたくないと言う気持ちを抱いたのであった。


「ゴホゴホ…え~と…蒼殿…?」


「ん…?」


風子がわざとらしい咳払いをしながら蒼に話し掛ける。


「その…茜殿の頭を撫でても良いだろうか!?」


「お前もか!!!」

目をハートにしている風子についツッコんでしまった蒼であった。


「蒼さん…」


「楽?」


楽が蒼の肩をポンと叩く。


「蒼さんがロリコンでも僕は全然気にしません!」


とんでもない誤解をしていらっしゃる!?


「違うぞ楽!?俺は!」


「蒼とやら…」


「ん?」


俺が楽の誤解を解こうとした瞬間、紀が下を向きながら俺に話し掛けてきた。


「蒼とやらもしゅきなのか!?」


「へ…?」


「わかる!わかるぞ~!可愛いものな!小さい子は!私はとても小さい子を見るのがしゅきなのだぁ~」


「えっと…」

今までになくキャラ崩壊していらっしゃる!!!!


でもま…

茜が馴染めそうでよかった。


蒼は皆に囲まれている茜を見て、満面の笑みを浮かべていた。


そして、再び「朝倉蒼!」と言う聞き覚えのある声が聞こえたんだ。


「……」

俺が振り向くとそこには靡く綺麗な銀髪にとても美しい緑色の瞳。

そして、そこにいたのは、シル=バレットだった。

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