17.ヒキコモリな炎竜
「あぁ…何であんなこと言ったんだろ…」
あんなわかり安い挑発に乗るとか…
てか…一週間後には決闘するってのに…俺の契約竜は…
と、蒼が茜のいる先に顔を向けると…
「ましゅたー!!それ私のゲームだよ~…ん~…」
よだれを垂らして寝言を言っている茜の姿があった。
「はぁ…」
溜め息しか出ないよ…マジで…
「クッソ~…」
今更断る事なんて出来ないだろうし…
「やるしかない…」
茜を…この一週間で…
脱ヒキコモリさせてやる!!!!
作戦1
・新しいゲームを買う代わりに学校に来るように交渉する。
結果。
「え?学校行く、くらいなら私は今あるゲームで充分だよ」
失敗。
作戦2
・ヒキコモリのデメリットを教える。
「で?」
失敗。
作戦3
・誉める。
「な、何が目的なの…?」
失敗。
「ッ…どうすればいいってんだー!!」
どうやってもあいつを学校に行かせられる気がしない…
「マスター!!!」
「うあぁぁあ!?」
耳元で茜の声が大音量で流れた。
「何すんだ茜!?」
「だってマスター何かボーっとしてたからさ!」
「お前はボーっとしてるやつに大声を出すのか…」
俺は疲れた顔で言う。
「ねぇ!マスター!」
「ん?」
「私と、しよ?」
「は…?」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
「…………」
何故こうなった。
「マスター何やってんの!!最後のラスキル私が殺ろうと思ったのに何マスターがラスキルされてんのさ!?」
と、茜が蒼に怒り気味にいう。
何故か、俺は茜とゲームをしていた。
「って…何で俺はゲームしてんだ…」
「ねぇマスター!?聞いてる!?次はラスキルされないでよ?後私のラスキルとんないでね?」
「んな無茶な…」
はぁ…茜はこうだ…
人の都合なんて考えないもんなぁ…
でも、今まで茜が俺をゲームに誘った事なんてあったっけ…?
もしかして…俺を励まそうと?
「はは…」
サンキューな…茜。
じゃねーよ!!俺はお前のせいで悩んでんだよ!!!!
「くっ…」
とにかくこの1週間で何とかしないと…
そして、時間と言うのはすぐ過ぎるもので…1週間が立ちました。
「お願いします茜様明日この私蒼と学校に行ってほしいのです」
と、俺はベットで寝転がっている茜に丁寧語を言いながら土下座をしていた。
「ど、土下座…?そ、そこまでするって…マスター何かあったの…?」
「はぁ…」
話すしかないか…
「実は…」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
 ̄
「って言う訳でして…」
これで、あのめんどくさがりの茜が学校に行くことはなくなったか…
「マスター…何で…」
「ん?」
「何でそれを早く言わないのさ!?」
「は?」
「そんな燃える展開に私が行かなくてどうすんのさ!!!」
「んっと…え?学校に行くのか?」
「もちのろん!!」
と、親指を立てて言う茜。
「あ…ああ…あ…」
俺のこの1週間の苦労はいったい…
俺はこの1週間ほど、時間の無駄だと思った事はなかった。
読んでくださりありがとうございます!!
そして…やっと…やっと…
茜が学校に行ってくれるー!!
バンザーイ!バンザーイ!